ニュースリテラシーを育てよう 本紙記者が越谷北高で出前授業
ネット上の偽情報を見抜く力を育てる「ニュースリテラシー(活用能力)教育」の出前授業が、越谷市大泊の県立越谷北高校(若菜健一校長)で行われた。 1年生約360人を前に産経新聞新聞教育編集室の慶田久幸記者が、ネット情報の課題を指摘した。 電気自動車(EV)について肯定的な意見を紹介したうえで質問すると「EVは環境によい」と考える生徒が増え、否定的な考えを紹介すると、そうした考えを持つ生徒が減った。慶田記者が「これをフィルターバブルと呼び、一方の意見だけだと考えが偏ってしまう」と説明。特に交流サイト(SNS)ではこうした傾向が強く出て、エコーチェンバー(共鳴室)と呼ばれると述べた。 そして、新聞は1次情報にあたり複数のチェックが入った信頼性の高いニュースが掲載されるので、よく読んで正しい情報を得てほしいと呼びかけた。 授業後、工藤一輝さん(16)は「自分は1つの情報を信じてしまう傾向があるので、複数の情報にあたるようにしたい」、宮沢汰空(たく)さん(15)は「自分ではリテラシーの力があると思っていたが、そうでないことを実感した。もっと勉強したい」と述べた。 この出前授業は、埼玉県と東京都内の高校を対象に産経、朝日、埼玉、東京、日本経済、毎日、読売の各新聞社が連携して取り組んでいる。