「性自認は女性、好きになる相手は女性」天使ニアが年間売上2億円の“女の子ホスト”になるまで
ホストクラブで女が働くことへのアンチ
――コンカフェからホストの世界へ。当時から女の子でホストというのは、珍しい存在だったかと思います。始めるのに不安はありませんでしたか。 全くなかったですね。新しいことを始めるときに怖いなと思うことがないんですよ。なんか楽しみだな、わくわく!という気持ちでした。面接を受けるときはちょっと不安でしたけど。初出勤のときにはもう全然。 ――前日、眠れないとかも? なかったですね。でも、当時働くことになったのが朝営業のホストクラブだったので、朝始発で行かなくちゃいけなかったんです。そういう意味で、眠れなかったですね(笑)。2時間おきくらいに起きて、まだ大丈夫って。でも、そのくらいかな。入って気付きましたけど、メンタルが強いんですよね。 ――メンタルの強さは小さいころから変わらない部分ですか。 どうだろう。でも、僕が女なことでこれまでも人より多くいろんなことがあって。麻痺しているわけじゃないけど、もう気にしないようにしているというか。気にならないんですよね。SNSとか、事実と違うことを書かれることもあるし、ホストクラブで女が働いていることに対するアンチみたいなものもある。でも、その気持ちも分かるんですよ。それは、本当にごめんねって。気持ち分かるよ、嫌だよね、ごめんねって思うけど、それを気にしていてもどうしようもないから。 ――落ち込むこともあまりない感じですか。 体調悪くて休んじゃったときくらいですね。お店に出られなくて休んだときは、死ぬほどメンタルが荒れ狂っちゃう。自分のお客さま、姫たちはきっと休まず働いているのになんで自分が休んでいるんだろうって。そのときが一番メンタルをやられますね。 ――先ほど、ホストになって毎日が楽しいとおっしゃっていましたが、逆にホストになってちょっと後悔していることはありますか。 いや、全くないですね。本当に毎日ずっと楽しいんですよ。楽しすぎて、辞めどきが分からなくて困ってる(笑)。今年2月に新店「Blue Rose」の代表になったのもあって、当分辞められないなと。楽しいと思っているうちに辞めようと思っていたんですけどね。でも、続けるからこそは結果は出したいし、頑張ろうと思っています。 ――21年9月にホストを始め、2年半ほどで年間2億円プレイヤー&新店の代表に。今の立ち位置は当時、想像していたものでしたか。 いや、自分は人の上に立つのが本当に向いてない人間なんで、よく代表にしたなとずっと思っています。代表になりたいと思ったこともなかったので、本当にびっくり。でも、ホストとして売れるな、とは思っていました。絶対に自分は売れると分かっていたけど、代表にまでなるとは想像していなかったですね。