JX金属商事とJX金属高商、シナジー高め収益力向上。リサイクル事業を一体運営
JX金属商事とJX金属高商がリサイクル事業を一体的に運営するようになり、同事業の収益力が向上している。JX金属高商がJX金属商事の子会社に移行して以降、リサイクル事業に関わる情報や培ってきたネットワークの共有を一段と深めており、相互のシナジーを高めてきたことが奏功した。会社ごとの縦割りでなく、グループ一体となって事業に取り組む横の連携強化は今後も継続していく方針だ。 JX金属商事の斉藤昭夫取締役は原料リサイクル事業本部長とJX金属高商の社長を兼ねており、ミーティングの開催や従業員への連携を促す声掛けなどかじ取りをしてきた。斉藤取締役は「情報をオープンにし、お互いの役割を深く知ることで、グループ全体として動くことができるようになった」と語った。 相互連携を深めたことで、臨機応変な対応が可能となった。JX金属高商では扱えないと考えていた再生原料をJX金属商事のネットワークを活用して販売先を開拓し、商材の一つにすることに成功。また、JX金属商事では扱いづらいものをJX金属高商で加工することも積極的に行うようになり、需要家のニーズに応えられる機会が増えた。 今後の展望について、斉藤取締役は「JX金属高商はアジア圏にあるJX金属商事の海外拠点との連携も深めていきたいと考えている。またJX金属高商とお付き合いのあるスクラップの発生元の工場にJX金属商事の扱う製品を納めるといった製品まで絡めたアプローチを図ることもあり得る」と述べた。 JX金属はリサイクル事業強化を図るため、2022年10月に子会社のJX金属高商を同じく子会社のJX金属商事に譲渡した。JX金属高商は再生原料の集荷・販売や産業廃棄物処理を担っており、JX金属商事の原料リサイクル事業本部との連携深化が期待されていた。