「闇金の人が3人で…」桂雀々さんの壮絶幼少期 依存症の父と借金、母は家を出て行った
落語家・桂雀々(本名・松本貢一)さんが20日、糖尿病による肝不全のため亡くなっていたことが分かった。64歳。22日に所属事務所が公式サイトで発表した。遺族の意向で、葬儀は近親者のみで執り行われた。 雀々さんは16歳だった1977年に二代目桂枝雀に入門。81年にABC漫才落語新人コンクールで最優秀賞を受賞した。スピーディーな語り口、パワフルな高座で人気を博し、「上方落語の爆笑王」と呼ばれた。 2011年には活動拠点を東京に移し、映画や地上波のドラマに役者として出演。2017年放送の日曜劇場「陸王」(TBS系)、2020年放送の「贋作・男はつらいよ」(NHKBSプレミアム)に出演するなど、俳優としても評価された。 壮絶な子供時代を過ごしてきた雀々さんは、依存症問題の啓発活動にも取り組んでいた。2022年には、厚労省主催の依存症に関するイベントに登壇。ギャンブル依存症だった父について話し、依存症当事者の家族はどのようにすべきかを伝えていた。 父がギャンブルで借金を作り、光熱費すら払えないため、雀々さんの母も借金をする生活。「闇金の人が3人で家に来るので、夜はにぎやかでした」と振り返った。そんな父に母は愛想を尽かし、家を出て行き、近所の人が面倒をみてくれたという。 イベントでは「僕も一時期、パチンコで依存症になりかけた」と明かしたうえで、「父という反面教師があってよかった」などとしみじみと話していた。
東スポWEB