カブス・今永昇太、7回0封で石井一久、田中将大以来日本人3人目のデビュー5連勝&防御率0・78で全米2冠に
◆米大リーグ メッツ0―1カブス(1日・米ニューヨーク州フラッシング=シティフィールド) カブス・今永昇太投手が1日(日本時間2日)の敵地・メッツ戦に先発し、7回無失点で、日本人では14年田中将大(ヤンキース)以来3人目のデビュー5連勝を飾った。ドジャース・山本由伸投手は、6回無失点で3勝目。タイガース・前田健太投手は移籍後初勝利。背番号「18」の3人が、史上初となる日本人先発投手の3人同日勝利をマークした。 圧巻の投球を続ける今永を、さらに勢いづけた。両軍無得点の2回1死一、二塁。外角低めスプリットでベーダーを狙い通りの遊ゴロ併殺に打ち取った。捕手のアマヤと目を合わせて満面の笑みを見せ、天を見つめて左手で何度も胸をたたいた。「前後系の(奥行きを使った)スプリット。落とし切ると三塁線や三遊間が怖いので、前に飛ばしてくれと思っていた」。初の中4日ながら米自己最長7回を3安打無失点。デビューから無傷の5連勝とした。 最高峰の舞台でゲームを支配し続けた。援護は5回の1点のみ。息詰まる投手戦で三塁すら踏ませなかった。救援陣に託した1―0の9回1死二、三塁では、左飛で三走が本塁を狙うもタッチアウト。チャレンジでも判定は変わらず試合終了となったが、「1点入っても2死二塁。まだ負けていない。逆転されないで、次のイニングに行けばいい」と冷静そのものだった。 メジャーデビューから無傷5連勝の日本人は、6連勝の石井(02年=ドジャース)、田中(14年=ヤンキース)に次ぎ3人目。防御率は驚異の0・78となり、両リーグ唯一の0点台で初めてMLB全体のトップに立った。5勝も全米トップタイで2冠。圧倒的な数字が並ぶが、“投げる哲学者”の異名を持つ左腕は「想像していたより良い数字が並んでいるが、振り返ってみると、紙一重の勝負どころでたまたま拾ってきたところがある。これを1年間やれたら最高だけど、そうもいかない場所(メジャー)。よりレベルの高い相手が現れた時に、それを乗り越える努力をしていきたい」と謙虚に足元をみつめた。 前田、山本も白星を挙げ、日本人の背番号18トリオが、史上初めて日本人先発投手による同日3勝を達成した。MLB公式サイトのラングス記者によると、デビューから6戦連続先発で防御率0・78はオープナーを除くと1913年以降では史上3位という。初めてのニューヨークでの登板を「スパイダーマンで見ていた景色がホテルから広がっていたので、『スパイダーマンで見たな』と思いながら見ていました」と、らしく振り返って爆笑を誘った。登板試合でチームは負けなし6連勝。半袖でマウンドに立ち続けるサムライが、カブスを、メジャーを熱くしている。 ◆今永のその他の記録 ▽5勝4四球 規定投球回到達投手で、勝利数が四球数を上回っているのはただ1人。 ▽登板時6戦6勝 デビューから先発登板時にチームが無傷6連勝は、1898~99年テーラーの7連勝に次ぐカブス史上2位。 ▽チームオブ・ザ・マンス選出 MLB公式サイト発表の3、4月「チームオブ・ザ・マンス」で先発5人の1人に選出。DHで大谷も選出された。
報知新聞社