12人抜きで真打昇進からのトリ! 大きな期待を背負う「林家つる子」が語る“重圧”
生きがいい若手落語家の一人、林家つる子(37)の勢いが止まらない。女性で初となる、12人抜きで真打昇進を果たしたのが今年3月21日。以来、記録を更新する大活躍が続いている。 【写真16枚】実力も美貌も圧倒的! 若手落語家「林家つる子」の美麗ショット
3カ月と10日での“大手柄”
演芸記者が解説する。 「7月には上野・鈴本演芸場の上席で、つる子が夜の部、同時期に真打昇進を果たした三遊亭わん丈(41)が昼の部において、それぞれトリを取った。春先に二人で務めた45日間にわたる昇進披露興行が大入りだったとはいえ、昇進からわずか3カ月と10日での大手柄。大したものですよ」 トリとは寄席の最後に登場する落語家のこと。誰がトリを務めるかによって、客の入りが変わるとされる重要な存在だ。過去にも真打昇進からほどなくトリを担った例はあるが、 「ここ数年の比較的早い例でも、一昨年3月に真打になった蝶花楼桃花(43)が昇進から4カ月。昨年2月に『笑点』メンバーに加わった、春風亭一之輔(46)でも5カ月かかっています。つる子は、わん丈とともに落語界を引っ張る人気の落語家の記録を上回った格好です」 そのつる子は、9月1日から浅草演芸ホールの上席でもトリを務めている。“夜の部主任”として、20時過ぎから単独で登場する。 「これも快挙といっていい。真打昇進興行でトリを取っても、その後が続かない例は少なくない。昇進からトリが続くのは、周囲が彼女の実力はもとより、人気や集客力を認めているということ。寄席側も大きな期待を寄せているワケです」
「本当にお客さんに来ていただけるのか…」
中央大学の出身で、学生時代は同大の落語研究会で“中央亭可愛(ちゅうおうていかわいい)”なる高座名で活躍した。2年生の時には全日本学生落語選手権・策伝大賞で決勝に進出し、審査員特別賞を受賞。4年次には全国女性落語大会(ちりとてちん杯)で優勝を果たしたという。アマチュア時代の実績を引っ提げ、卒業後の平成22年に林家正蔵(61)に弟子入り。入門14年目を迎えたご本人が、最近の活躍を振り返る。 「すごく光栄でうれしいことですが、こういう機会は何度も頂けるわけじゃないですよね。本当にお客さんに来ていただけるだろうか、私の高座を喜んでもらえるだろうかと、大きなプレッシャーもかかってきます。7月の鈴本演芸場では多くの人に来ていただきましたが、ひとえに応援して下さるお客さまのおかげです」 昇進から初めてのトリに選ばれた鈴本演芸場の初日では、正蔵師匠が得意とする名作「しじみ売り」をしっとりと演じて見せた。 「鈴本(演芸場)では人情噺(ばなし)を多めにかけました。今度の浅草(演芸ホール)では、明るい土地柄という点を考慮して人情噺や滑稽噺、新作落語をかけて、町の空気に沿った明るい興行にしたいと思っています」