後楽園を「最も美しく見られる」殿様の居間からの眺めに外国人も感激 「延養亭」特別公開始まる
名園を眺め“殿様気分”に―。岡山市の後楽園で21日、江戸時代に岡山藩主が居間として使っていたと伝わる「延養亭」の秋の特別公開が始まった。園内を最も美しく見られるよう造られた建物で、観光客らが眺めを堪能している。27日まで。 約10畳の主室の障子を開けると、色づき始めた木々や緑の芝生、陽光できらめく沢の池が眼前に広がる。小鳥のさえずりも聞こえる中、訪れた人はゆったり景色を見たり、写真に収めたりしていた。 東ヨーロッパのモルドバからツアーで訪れたイリーナ・ベスパーリュクさん(45)は「きれいに整えられた庭園に感激した。当時の殿様も良い気分だったはず」と話していた。 主室の一角では、藩主池田家伝来の脇息(きょうそく)と敷物の複製を展示。隣接する茶室「臨〓軒(りんいけん)」も見学できる。(〓はサンズイにケモノヘン、右に奇) 延養亭は17世紀後半の建築で、1945年の岡山空襲で焼失したが60年に再建。例年5、10月に公開している。 特別公開は1日6回(各20分)あり、予約優先で各回定員10人。参加料600円(入園料別)。問い合わせは後楽園事務所(086―272―1148)。