「備蓄の落とし穴」命に関わる災害時のトイレ問題 何をどれだけ備えればいい?専門家に聞いた【DIG 防災】
確かに普段から排せつの話をすることは極めて少ない。加藤さんは「困ったときでも、トイレの悩みは周りに言いづらく、一人で抱え込みがちになる」と指摘する。 しかし、どんなトイレを備えるか?これは会話の材料にもなりそうだ。加藤さんに携帯トイレ選びのポイントを聞いた。 <携帯トイレ 選ぶポイント> (1)使いやすさ つけるだけで「いつものように使える」もの (2)吸収量 尿や便が漏れずに使える吸収量があるもの (3)個人が大事にしている付加価値 臭いが気になるなら臭い対策、大きさ重視ならコンパクトなものを選ぶ さらに、加藤さんは「地震が起きるまでに1回使ってみること」が大事だと話す。 加藤さん 「トイレは毎日何回も行くもので、習慣化されている。習慣化されているものは、急にやり方を変えられると戸惑っていつものようにできなくなる。安全なうちに一度でも使っておくと、心のハードルが下がる」 ちなみに、備えとして、携帯トイレ以外にあると安心なものは次の通り。 <携帯トイレ以外にあると安心なもの> (1)トイレットペーパー 災害後、店頭からなくなる可能性も。 (2)照明 停電でトイレが真っ暗になることも。両手が自由になるヘッドライトやランタンなど。 (3)ウェットティッシュ、アルコール消毒など 断水中は、手が洗えない。 (4)消臭袋や蓋付きの容器 携帯トイレは臭いを完全に抑えることは難しい。使用済みの携帯トイレは防臭袋や、蓋つきの容器などにまとめて入れることが効果的。そして、庭やベランダなどに置き、生活空間から排除する。 ■逆流の危機も…安易に風呂の水で流さない 災害時に断水しても「貯めておいたお風呂の水で水洗トイレを使おう」と考えている人も注意が必要だ。地下の排水管が破損しているかもしれないからだ。それに気付かず、皆がトイレを使い続けると、排せつ物が逆流し、室内にあふれてしまうことも…。 加藤さんは改めて「災害時、まずは携帯トイレを取り付けることが大事」だと強調した。下水道の使用に制限がかかる場合、HPで情報を公開する自治体もある。水洗トイレの使用を再開するのは、自治体の情報を確認してから。これはマンションでも、戸建ても同じだ。
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