国交相「見直し念頭にない」 北陸新幹線「小浜-京都」ルート
北陸新幹線建設促進同盟会長の杉本福井県知事や、新田富山県知事らは大会後、政府・与党幹部に要請活動し、斉藤鉄夫国土交通相らと面会した。終了後に取材に応じ、国交相から「小浜-京都ルート以外は念頭にない」と説明を受けたと明らかにした。 4県の知事が要請した。杉本知事らによると、国交相は環境影響評価(アセスメント)や2023年度から行っている事業推進調査について「全て小浜-京都ルートを前提にしたものであり、それ以外は考えていない」と述べたという。 杉本知事は「与党PTが決めたルートで粛々と進めていく方針であり、大変大きな収穫があったと認識している」と強調した。新田知事も「さまざまな議論を経て決定したことであり、この2年間で30億円近い調査の予算が計上されている事実がある」と支持した。 米原ルートへの見直しを求める石川県内の動きに関し、馳浩知事は「小浜-京都ルートへの不安感、早く詳細ルートや駅位置を決めてほしいという思いがあふれたのではないか」とし、改めてスケジュールや財源見通しを早急に公表するよう国側に要望したと述べた。
福井県、米原ルートに変更を強くけん制 北陸新幹線建設促進大会で、福井県関係者は小浜・京都ルートでの全線開通を熱く訴えた。石川県や京都府などの一部から米原ルート再考を求める意見があるためとみられ、ルート変更を強くけん制した。 杉本知事や稲田衆院議員が、十分議論を重ねルートが決まった経緯を説明。同県小浜市に複数の原子力発電所があることにも触れ「電気は全て関西で使われている」とし、関西経済を下支えする同市のためにも新幹線が必要と訴えた。 小浜・京都ルートが強調されるたび、福井県関係者が「おー」と歓声を上げ手をたたいた。JR米原駅があり、かつて米原ルートを主張した滋賀県も、三日月知事が小浜・京都ルートを支持。「よし」の声とともに拍手が響いた。 一方、石川県や京都府の関係者は静観。同県の馳知事は敦賀開業後の経済効果を実感しているとし、災害に備え乗り換えなしで大阪までつなぐ重要性を指摘した。知事が欠席した同府は自然環境に十分配慮することなどを求めた。両府県とも米原ルートには触れなかった。
石川で米原ルートへ再考決議 石川県南部6市町で構成する「加賀地域連携推進会議」は22日、同県加賀市で開いた総会で、ルート再考を訴える決議を採択した。「工期やコストなど、あらゆる面で米原ルートが最良の選択だ」とした。