電気代値上げで家計圧迫…どう節約する?エアコン以外にもある見直すべき家電
膨らむ電気代の負担と高まる電力の需要
物価の高騰に多くの人が悲鳴を上げる中、電気料金が6月使用分から値上げされることになりました。政府が物価高対策として続けていた電気料金への補助が終了したことなどに伴うもので、値上げによって家計がさらに圧迫されるのは避けられそうにありません。ファイナンシャルプランナー・節約アドバイザーの丸山晴美さんに、今すぐ実践できる節電・節約対策について聞きました。 電力大手10社の7月請求分(6月使用分)の電気料金は、平均的な電気使用量(260kWh)の一般家庭で、前月より346~616円値上がりします。 東京電力は前月比392円増の8930円、関西電力は同468円増の7664円。昨年夏と比べた場合、政府の補助金廃止などを受けて、一般家庭では月2300円も負担が増える計算になります。 政府は緊急の物価高対策として、8月から3か月間、電気・ガス料金の追加軽減策を実施する方針ですが、電気代の負担が重い傾向に変わりはありません。 夏場は電力需要が高まることもあって、家庭での節電・節約対策が重要になります。丸山さんは対策の一つとして、契約を結ぶ電力会社やプランの見直しを挙げました。 「今は電力会社がたくさんあるので、地域によっては見直しの選択肢があります。私は新電力会社を利用していますが、大手電力会社よりも5%安いプランになっています。また、ガスの契約を結んでいる会社と同じ会社で電気を契約すると、料金が割引になるケースがあります」 新電力会社の多くは、自社で発電設備を持たず、発電を行う会社から電気を購入し、販売しています。購入した電気の料金は自由に決めて販売できるため、大手電力会社より安くなるケースがあります。しかし、丸山さんは注意すべき点もあるといいます。 「キャンペーンなどで契約当初は安くしているように見えても、その後の料金が高く見積もられているケースもあります。そのため、契約1年目だけでなく2年目、3年目と、長い目で見てどれだけお得になるのか確認が必要です。途中解約ができるかといった注意点も、しっかりチェックしてください」 また、契約プランについて、丸山さんは「夜間利用の電気料金が安くなるプランは、昼夜逆転の生活をしている人には合っているかもしれません。しかし、昼間はその分、料金が高く見積もられているので、実際には安くならなかったというケースもあります。休日を含めた1か月間の昼夜の使用量をイメージしてみてからプランを決めるといいでしょう」と、アドバイスしました。 一方、電力会社を自由に選べないケースもあります。不動産会社が一括で電気を購入する「高圧一括受電」の契約を結んでいるマンションの場合は、指定の電力会社を利用するしかありません。 丸山さんは「どんな住環境であっても、一番効果的なのは電気を無駄に使わないことであり、節電は誰でもできます。電力会社の一般的な料金プランは、電気の使用量に応じて支払額が3段階に分かれる『従量料金制』で、使用量が増えるごとに1kWhあたりの料金が高くなる仕組みになっています。使いすぎないようにしましょう」と節電を促しました。