ディフェンディングチャンピオンの坂本花織が日本女子選手として初めての世界選手権3連覇に挑む | ISU世界フィギュアスケート選手権2024 女子シングル プレビュー
大本命としての緊張感にとうとう打ち勝って、ルナ・ヘンドリックス(ベルギー)はこの1月に初の欧州選制覇を成し遂げた。すでに過去2大会連続で世界選表彰台に上がり、GPファイナルでもやはり2年連続メダルを持ち帰った24歳。長い手足を活かした、力強くゴージャスな演技で、世界でもトップの座に上り詰められるか。またフィギュアスケーターがいまだ数えるほどしか存在しない西欧の小国ベルギーから、ヘンドリックスとともに欧州表彰台に登ったニーナ・ピンザローネも、美しきサプライズを改めて演出してくれるに違いない。昨季優勝、今季2位と2年連続で欧州表彰台に登り、実力者としての揺るぎない地位を築いたアナスタシア・グバノワ(ジョージア)も、2年前の6位以上の成績を追い求める。
いまや日本と肩を並べる女子強豪国・韓国の3選手もまた、いずれ劣らぬ表彰台候補。1年前に銀メダルをつかんだイ・ヘインは、今季はいまだ思い通りの結果が出せていない。特に2連覇をかけた四大陸では精神的に揺らぎ、まさかの11位終了。気持ちを立て直し、世界選では持ち前の伸びやかなパフォーマンスを見せてほしい。昨季後半のシニア参戦直後から、安定した演技で着々と評価を上げているキム・チェヨンは、直前の四大陸で2位メダル獲得。昨ワールドはFS3位でスモールメダルを持ち帰ったが、今回は大きなメダル獲得も十分にありえる。ユー・ヨンは3年ぶりのワールド出場。今季は目立つ成績は残せていないものの、繊細な表現力には定評が高い。2シーズン前までの調子を取り戻せていれば、上位入りのポテンシャルはある。
勇敢に挑戦し続けてきた3回転アクセルを、今季GPアメリカ大会FSでついに成功させたアンバー・グレン(アメリカ)は、間違いなくキャリア最高の波に乗っている。全米選手権でも3Aを決め、長年追い求めてきたナショナルタイトルにも手が届いた。1年前の初ワールドは満足な演技ができず12位に甘んじたが、2度目の今年は、イザボー・レヴィトとともに、アメリカ女子に3枠をもたらす準備はできている。そのレヴィトは、3度の転倒を喫し、苦しかった全米FS以来の試合となる。繊細な17歳は今シーズンどうも調子を安定させられずにいるが、輝かしい勝利を手にしたGPフランス大会のときのように歯車さえピタリとあわせられれば、表彰台は決して夢ではない。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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