【高校野球】御殿場の鉄壁二遊間・脇兄弟が22年ぶり夏2勝導く…全国高校野球選手権静岡県大会7月6日初戦~話題校紹介
御殿場の二遊間を守る脇兄弟が、22年ぶりの夏2勝に導く。兄・楓葵(ふうき、3年)が二塁手で、1学年下の弟・暖葵(のあ)が遊撃手。22年は2回戦に進んだが、昨夏は1回戦で敗れた。1年時にベンチで喜びを味わった兄は「弟は勝利を経験したことがないので経験をさせてあげたい」と思いやった。 下位打線に入る楓葵は、献身的なプレーでチームを支える。暖葵は1番を任され、積極性が持ち味。対照的なスタイルだが、兄は「自分が難しい打球を捕っても必ずベースにいてくれる」と信頼を寄せていた。 今では息の合った守備を見せる2人だが、二遊間を組んだのは弟の入学後で、まだ1年ほど。楓葵が小学4年だった時から一緒に野球を始めたが、中学までは互いにポジションは違っていた。三塁手だった弟はチーム事情で遊撃手に。投手だった兄は「伸び悩んだ」と、1年秋から二塁を守るようになった。 兄は転向後、捕球動作がうまくできなかった。そこで先生役となったのが弟だ。中学生だった暖葵は午後6時半に帰宅すると、同8時頃に帰ってきた兄と2年間、毎日のように捕球練習を積み重ねた。最近は兄が進路のことで多忙となって“兄弟練習”の機会は減ったが、片道1時間の通学時は常に一緒で守備の話をしている。 今や鉄壁のコンビネーションを見せる2人について内藤英伍監督(38)は「弟の暖葵は結構言うタイプ。兄を引っ張っている」と評した。暖葵は「打てなかったりした時も守備交代時、(兄が)声をかけたり切り替えさせてくれる」と明かした。高校で最後の夏となる兄弟での二遊間。「よく兄弟で一緒にプレーしているのをうらやましがられたりする。この時間を大事にしていきたい」。阿吽(あうん)の呼吸で御殿場の守備にリズムをつくる。(伊藤 明日香)
報知新聞社