「1時間に100ミリ」ってどれくらいの雨? / 雨の降り方と災害の危険度
局地的大雨が相次いでいます。2013年7月28日の山口・島根豪雨では、山口市で1時間に143ミリという記録的な雨を観測。同月23日には東京の目黒区・世田谷区で1時間に約100ミリの雨を記録しています。いまや頻発している感もある「1時間に100ミリ」級の雨。一体どのくらいすごくて危険な雨なのでしょうか? [動画]深刻化する都市型水害の脅威 「内水氾濫」とは
どれくらいの雨なの?
「1時間に100ミリ」の雨とは、気象用語では「猛烈な雨」に分類されます。「猛烈な雨」とは1時間当たり80ミリ以上の大雨のことで、一番雨量が多くて災害の危険性が高い状態です。気象庁では「恐怖を感じるような雨」と表現しています。自治体の防災担当は「すごい雨だった(山口市)」「今まで記憶にないような雨だった(東京・目黒区)」と語っています。 雨の降り方は、降っている雨の量によって、気象用語で5つの段階に分類されています。 ◎やや強い雨(1時間に10ミリ~20ミリ未満) ザーザーと降り、地面一面に水たまりができるような雨。この程度の雨でも長く続く時は災害に注意が必要。 ◎強い雨(1時間に20ミリ~30ミリ未満) 土砂降りで、傘を差していても濡れてしまうような雨。側溝や下水、小さな河川があふれ、小さながけ崩れの心配も。 ◎激しい雨(1時間に30ミリ~50ミリ未満) バケツをひっくり返したような雨。道路が川のようになり、山崩れや崖崩れが起きやすくなる。危険地帯では避難準備が必要。 ◎非常に激しい雨(1時間に50ミリ~80ミリ未満) 滝のように雨が降り、傘がまったく役に立たない。あたりが水しぶきで白っぽくなり、先が見えない。マンホールから水が噴出したり、中小河川がはん濫し、土砂災害が発生・拡大する可能性が高くなる。 ◎猛烈な雨(1時間に80ミリ以上) 息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じるような雨。雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要。 実際に7月28日の豪雨を体験した山口市消防本部の職員によると「100ミリ降っていた時かは分からないが、車のワイパーをハイスピードにしても前が見にくい状態で、傘を差しても雨が大粒で傘が破けそうなくらいドンドンと降っていた。側溝からは排水が溢れだしていて2009年の(中国・九州北部)豪雨を思い出した」という状況でした。