破天荒で創造的な関係の中で育まれた「幸福の画家」の半生 映画『画家ボナール ピエールとマルト』
第76回カンヌ国際映画祭 カンヌ・プルミエール正式出品、横浜フランス映画祭 2024で観客賞を受賞した、映画『画家ボナール ピエールとマルト』。この度、本作の予告映像が公開された。 本作は、「幸福の画家」と称される画家ピエール・ボナールと、謎に包まれた彼の妻・マルトとの半生を描く。この度公開されたのは、名前も知らないまま惹かれあったピエール・ボナールと、のちに人生の伴侶となるマルトの生涯を切り取った予告映像。「君なしでは生きられない」というピエールの一言から、自然に囲まれた家で紡ぐ、自由で色彩に充ちた日常が始まっていく。ボナールの代表作「ベッドでまどろむ女(ものうげな女)」のモデルも務めたマルトへ羨望の眼差しを向けるモデル・ルネが現れ、その関係にも変化が訪れる。 印象派に続くナビ派の代表格で、日本美術から大きな影響を受け「日本かぶれのナビ」とも呼ばれた、「幸福の画家」ピエール・ボナール。大胆な色彩と日常の些細な事象を好んで描いたことで知られるボナールだが、平面的な画面構成を試みたり、見ることのプロセスそのものを描こうとするなど、終生実験的な姿勢を貫いていた。 ピエールにとって、生涯の伴侶マルトは、単なるミューズをはるかに超えた存在となるのだが、2人の関係は謎に満ちていた。当時の常識からはかけ離れた破天荒な愛の形を営みつつも、生涯をかけ共同で充実した芸術的成果を生み出していく。 出演は、ピエール役に『セラヴィ!』『夜明けの祈り』でフランス映画界実力派の代表格に称されるヴァンサン・マケーニュ。妻・マルト役は『ヒア アフター』『少年と自転車』『メビウス』『幻滅』など数々の名作で知られる今やフランスを代表する名女優・セシル・ドゥ・フランスが演じる。メガホンをとるのは『5月の花嫁学校』『ルージュの手紙』『ヴィオレット ある作家の肖像』『セラフィーヌの庭』などのマルタン・プロヴォ監督。 映画『画家ボナール ピエールとマルト』は、2024年9月20日(金)より全国ロードショー。
otocoto編集部
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