ロス山火事の死者10人に、建物5300棟焼失…損害額は「アメリカ史上最も巨大な」9兆円試算も
【ロサンゼルス=冨山優介】米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した複数の山火事で、ロサンゼルス郡の検視担当者は9日、死者が10人になったと発表した。消防当局などによると、建物5300棟の焼失が確認されており、さらに別の4000~5000棟が焼失または損壊したとみられている。今後も人的・物的被害が拡大しそうだ。 【地図】被害が大きい、ハリウッド俳優らが住むパシフィック・パリセーズはここ
米気象情報会社「アキュウェザー」によると、今回の山火事の損害額は初期の推計で最大570億ドル(約9兆円)と見積もられており、米ブルームバーグ通信は「米国史上、最も巨大な損害額の山火事となる可能性が高い」と指摘している。
山火事の拡大で、ロサンゼルス北郊にあり、「映画の聖地」とも呼ばれるハリウッドにも影響が出ている。
アカデミー賞を主催する「米映画芸術科学アカデミー」は、今月17日の候補作品発表を19日に延期することを決めた。ハリウッド俳優ら被災した関係者が多く、負担に配慮したとみられる。
映画「スター・ウォーズ」の主演で知られるマーク・ハミルさんは一連の山火事が最初に起きた7日、SNSへの投稿で、マリブの自宅に炎が迫り、避難したことを明らかにした。SNS上では、著名人らの避難や自宅焼失に関する情報が続々とアップされている状況だ。