【箱根駅伝】立大・山本羅生「大手町で笑って卒業したい」史上最長ブランク63年ぶりシード見えた
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ) 【詳細データ】往路成績 1962年以来63年ぶりに、上位10チームに与えられるシード権奪還を目指す立大は5時間27分27秒の8位で折り返した。今季は予選会1位、初出場の全日本大学駅伝で7位と勢いを増している。史上最長ブランクでのシード権獲得を目指す。8位の立大から14位帝京大まではわずか2分1秒差。復路ではし烈なシード権争いが繰り広げられる。 山本羅生(らいき・4年)は喜びをかみしめながら、ゴールの前で両手を広げた。立大にとっては1968年以来57年ぶりの往路でのシード圏内の8位でのゴール。「往路は120点くらい」と満面の笑み。1時間11分29秒。2年連続の5区で1分54秒、記録を更新し、「(自分の持つ)力以上のパフォーマンスが出せた」と胸を張った。 全員でタスキをつないだ。1区は16位と出遅れたが、2区の馬場賢人(3年)が13キロ手前で集団を抜け出すと一時、11人抜き。終盤はペースダウンしたが、区間7位で全体9位まで順位を上げた。5区の山本もシード圏外の12位でタスキを受け、4つ順位を上げる快走を見せた。高林祐介監督(37)も「想定以上だったのは2区と5区。(馬場は)前半攻めすぎなくらい攻めていたけど、しっかり耐えた。エースの走りをしてくれた。山本も本番、一番いいパフォーマンスをしてくれた」とたたえた。 苦難を乗り越えた。23年10月の予選会直前、前監督が不適切行動で解任された。高林氏が24年4月に監督に就任。この約1年間、学生、監督が口をそろえて「シード権獲得」を目標にしてきた。初めて運営管理車に乗り、直接ゲキを飛ばした高林監督は「少しは選手の力になれたかな」と照れ笑いを浮かべた。 目標とする63年ぶりのシード権獲得に前進した。応援に回る山本は「(ゴールの)大手町で笑って、シードを取って卒業したい」と仲間に思いを託した。シード権獲得となれば、2009年に8位で43年ぶりに奪回した明大を大きく上回る最長ブランクでの獲得。指揮官は「復路も自信をもってスタートラインに立てる。力を出してくれれば、順位を維持できると思っている」と口にした。「歴史を動かしたい」と声を張った。(中西 珠友)
報知新聞社