【まさかの自腹!?】隣の家の火事で我が家にも被害が…!「損害賠償」は請求できるの?
冬は火災が発生しやすく、乾燥による被害も大きくなります。 総務省消防庁によると、令和3年に起きた出火件数は3万5222件であり、1日当たりに換算すると96件もの火災が発生したとのことです。出火件数のなかで最も多いのは建物火災であり、全体の55.5%を占めているといいます。 万が一隣の建物で火災が起こって、火が燃え移った場合に、損害賠償を請求することは可能なのでしょうか。 そこで今回は、隣の家の火事により自宅が火災被害を受けたときに、損害賠償請求ができるのかについてと、「失火責任法」の内容や適用条件について解説します。
失火責任法とは
失火責任法(失火の責任に関する法律)とは、火事災害の責任に関する法律であり、木造住宅が隣接している日本において、失火者(火事を起こした人)を保護する目的で制定された法律です。 失火責任法では、隣の家の火災で自宅に延焼した場合「原則として失火者に対して損害賠償責任を問えない。ただし、失火者に重大な過失がある場合は除く」と定められています。これは、隣の家の火事により自宅に被害が生じても、損害賠償を請求することはできないということです。 ただし、失火者に重大な過失がある場合は例外とのことですので、状況によっては、損害賠償を請求できる可能性があります。
重大な過失があると判断される事例
隣の家で火事が起こったときに、隣人に重大な過失があると判断された場合には、損害賠償を請求できる可能性があります。 具体的に、重大な過失があると判断される事例には、以下のものがあります。 ・石油ストーブの火をつけたまま給油して、ストーブの火が着火して出火した ・寝たばこの危険性を十分認識しているにもかかわらず、喫煙をしたまま眠ってしまって出火した ・天ぷら油の入った鍋を火にかけたまま台所を離れて、出火した 上記のように、故意ではないが、いつ火災になってもおかしくないと判断される行為に該当する場合には、賠償責任を問える可能性があるということです。