大ショック「太陽にほえろ!」「熱中時代」の伝統が…… 日テレ「深夜ドラマ」を何と「テレ東」子会社が制作の理由
配信数を稼げ
「昨年4月期に『離婚弁護士 スパイダー』と同じ時間帯で放送された稲森いずみ(52)主演の『夫婦が壊れるとき』がTVer深夜部門で再生数2000万回を突破。当時の歴代1位を記録して以来、上層部は“配信数を稼げ”と号令をかけています。ですが、今年7月期にドラマDEEP枠(火曜24時24分~24時54分)で放送された吉谷彩子(33)と浅川梨奈(25)のW主演『どうか私より不幸でいて下さい』が話題になった程度で、『夫婦が壊れるとき』ほどのヒットは生まれていません」 「どうか私より不幸でいて下さい」は日テレ系のAX-ONの制作だった。 「日テレの外部発注はAX-ONと相場が決まっていました。ただし、配信で見てもらうというのは、勝手が違うのかもしれません。また、今期はドラマ枠が増えたことも影響していると思います」 「離婚弁護士 スパイダー」が放送されているフラエジ枠でのドラマは2カ月ぶりとなる。 「バラエティをやったりドラマをやったりとフラフラしている枠ですが、夜中12時過ぎの放送ですから、仮に数字を取ったとしても、逆に取れなかったとしても、全日帯(6時~24時)の視聴率には影響しない枠です。そこでわざわざドラマを放送するというのは配信狙いに他なりません」 9月まで日テレのゴールデン・プライム帯(19時~23時)のドラマ枠は、土ドラ9(土曜21時~21時54分)と土ドラ10(土曜22時~22時54分)、そして日曜ドラマ(日曜22時30分~23時25分)の3本。深夜帯のドラマ枠は、ドラマDEEP(火曜24時24分~24時54分)と読売テレビ制作の木曜ドラマ(木曜23時59分~24時54分)の2本。つまり、ドラマ枠は週5本だった。ところが――。
深夜30分の実績
「土ドラ9は今年4月に新設されたドラマ枠です。今期はさらにフラエジがドラマを復活させ、おまけに中京テレビ制作の水曜深夜(24時29分~24時54分)でもドラマ『高杉さん家のお弁当』が放送されることになりました」 水曜深夜のプラチナイト枠(23時59分~24時54分)は中京テレビの制作で、9月まで前半は斎藤工(43)がMCの「こどもディレクター」、後半は「お笑い4コマパーティー ロロロロ」を放送してきた。 「つまり、今期から後半のバラエティをドラマに変えたのです。そのためドラマ枠の愛称もついていません。最近は在阪のローカル局も配信を始めていますから、中京テレビも配信にシフトしたのかもしれません」 その結果、日テレは週7本のドラマを放送することに。そのうち5本が日テレの枠となるが、これだけ増えれば自社制作だけでは成り立たないということか。 「深夜ドラマは30分が多いということもあります。30分番組はTVerの1・5倍速で見れば20分、1・75倍なら17分で見ることができるという手軽さがウケているのです。その点、テレ東には、深夜帯で30分ドラマの『孤独のグルメ』、40分ドラマの『きのう何食べた?』を大ヒットさせた実績があります。もっとも、どちらもPROTXの制作ではないのですが、テレ東には深夜のドラマ枠で新たな挑戦をし続けている強みがあるのです」 それで日テレは、テレ東を選んだということか。 「深夜ドラマで当たるキーワードは“夫婦・不倫・ドロドロ・復讐劇”、つまり、昔の大映ドラマ、あるいは昼ドラ、韓流ドラマのテイストです。ヒットした『夫婦が壊れるとき』や『どうか私より不幸でいてください』もまさにそうでした。『離婚弁護士 スパイダー』もそのツボをよく心得ています。さすがPROTX、いや、テレ東、恐るべし、と言わざるを得ません」
デイリー新潮編集部
新潮社