70歳でも元気なうちは働いた方がよい?70歳代の平均年金額と「足りない」場合の対策
街を見渡せば、店舗や商業施設のほか屋外の駐車場など、いたるところで70歳以上の高齢者であろう方が働いている姿を目にします。こういった姿を目にするたび「70歳を迎えても、元気なうちは働くべきか」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで、70歳になっても働くべきか、70歳代の平均的な年金額や年金が不足する場合の対策とともに考えていきます。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
70歳代の年金平均額は月々12万3000円程度と想定!
70歳代の平均年金額は、男女合わせて月々おおよそ12万3000円と推定されます(令和4年老齢年金受給者実態調査における「70~74歳」と「75~79歳」の平均年金額を足して2で割って、月額換算して算出)。 1月当たり12万3000円の年金だけで生活できるかといえば、そうではありません。総務省統計局の「家計調査年報(令和4年)」によれば、65歳以上の単身無職世帯の場合、およそ毎月15万6000円の支出が生じています。年金だけでは、統計上の一般的な生活をしたとしても、毎月3万円以上も生活費が不足する計算になります。 また、65歳以上の夫婦のみの世帯の場合、月々の支出はおよそ26万9000円です。夫婦で平均額の年金を受け取ったとしても、2万3000円程度は不足分が生じるわけです。 ここから、一般的な生活を送るには、年金額だけでは足りない部分を何らかの方法で補わなければ、老後破産となる可能性が高いといわざるをえません。
70歳でも元気なうちは働くべき?
年金だけで不足する生活費をどうするか、という問題に対しては「必ずしも働かなくてもいい」といえます。老後資金を2000万円、3000万円と大きな額で有しており、毎月不足する生活費を補っていけるだけの蓄えがある方は、必ずしも働く必要はないからです。 とはいえ、年金だけで生活しようとすると収入が不足するので、基本的には70歳になっても、元気で働けるうちは働いた方がいいでしょう。なぜなら、働いて収入を得ることでその分生活を安定させることができるからです。 年金による収入だけでは、日々の生活費が不足します。かといって、老後資金の切り崩しを続けていくのは、思っている以上に不安なものです。 また、老後はけがや病気をしやすく、それらが重症化しやすくもあります。それゆえ、想定外の事故で医療費などの支出が増えてしまうと、老後資金が足りなくなる恐れもあります。 そういったリスクの存在を加味し、老後を健やかに過ごすことを考えると、老後は年金と就労によって得られる給料で生活し、できる限り毎月の家計から赤字が出ないようにするのが理想的です。