春節2015 香港の正月を堪能する(3)── 風車に願いを込める
20日、時間があったので、香港島の中心部を歩いていたら、巨大な猫の像を見つけた。招き猫のようだが、この像は「クリーム兄貴」と呼ばれていて、招き猫とは関係がないらしい。香港のコンビニ経営者が飼っている猫がモデルで、雑誌の上でだらける写真などがSNSに投稿されて人気が出たという。多くの現地の人や観光客がスマホで写真を撮っていた。猫も正月を祝っているようだ。 【写真特集】春節2015 香港の旧正月を堪能する
このあと、Tsui Hang Villageという広東料理店で昼食をとることに。いただいたのは「プンチョイ」だ。「盆菜」と書く。地方の村でお正月に家族や親戚が集まった時に振る舞われるという、いわゆる「おせち料理」だ。 エビやアワビ、鴨に豚、大根を繰り抜き、その中に貝を入れたものなどなど10種類ほどの様々な具材が一つの鍋に綺麗に敷き詰められていた。それぞれよく煮込まれており、汁はほとんどない。しかし、おでんのように味が染みていて、柔らかい。
香港の焼きそばは、担々麺と同じように細い。油とソースがよく絡んでおり、お茶と良く合って箸が進む。 デザートはエッグエッグタルトや桃の形をしたおまんじゅう。桃のまんじゅうはふんわりとした生地の中に白餡が入っていて、甘すぎないところが良かった。
風車に願いを込める香港の“初詣”
腹ごしらえができたところで、香港島を離れ、車で30分ほど北、沙田にある車公廟というお寺にお参りに行くことにした。香港の人々がよく訪れる場所で、日本人の初詣のようなものだろう。
このお寺は300年以上の歴史を持つ。チェ・クン(車公)という神様が祭られている。この日は、この神様の誕生日ということもあり、境内は人で埋め尽くされていた。チェ・クンは南宋時代の武将で、暴動鎮圧と皇帝への忠誠心で有名という。疫病を抑える力や薬などにも通じているとされ、守りの神と言われている。
境内に入る前から赤や金といった華やかな風車がたくさんついた飾りを持つ人々を見かけた。境内の壁にも大きな風車が等間隔で掛けられている。