DMATカーを配備 福島県いわき市の常磐病院 車内で医療行為も 災害支援や地域医療の充実に
福島県いわき市の常磐病院は、大規模な災害や事故の際に活動する災害派遣医療チーム「DMAT」用のDMATカーを配備した。最新機器を備え、車内で医療行為ができる。災害時の支援や地域医療の充実に役立てる。 緊急車両として走行でき、人工呼吸器や電動ストレッチャーを備える。ストレッチャーは昇降機能に加えて車内で左右スライドできる機能があり、患者の左右両側から処置が可能という。 常磐病院は昨年7月にDMATを組織し、能登半島地震の被災地にも入った。ただ、DMATカーがなく一般的なミニバンで活動に当たったため、ひび割れた悪路に手間取ったり、車両での患者搬送や医療行為ができなかったりしたという。 車両導入に向けて今年2月から3月にクラウドファンディングを実施した。市内の東洋システムなどから多額の協力が寄せられ、集まった資金を車両と車内用設備の購入費に充てた。 12月16日に常磐病院で納車報告会を開いた。病院を運営するときわ会グループの常盤峻士会長や東洋システムの庄司秀樹社長らがあいさつし、新村浩明院長が「一般的な救急車より高機能。市内外での災害や事故の支援に貢献したい」と述べた。能登半島地震の被災地で活動したDMAT隊員の沢野豊明医師は「能登では車両がなく悔しい思いをした。これで活動の幅が広がる」と期待した。
(いわき版)