シリア反政府勢力司令官が明かす“電光石火”の作戦の舞台裏とは
UAE=アラブ首長国連邦のメディアは13日、崩壊したアサド政権に対する反政府勢力を率いた司令官のインタビューを報じ、今回の作戦についての詳細を伝えました。 UAEの国営英字メディア「ザ・ナショナル」は13日、崩壊したアサド政権に対する反政府勢力を率いたアブ・ハッサン・アル・ハムウィ氏のインタビューを報じました。 ハムウィ氏は、反政府勢力を率いた「HTS(=シリア解放機構)」の司令官を務めていて、アサド政権崩壊後、外国メディアのインタビューに応じるのは初めてだということです。 インタビューでは、今回の作戦について、「4年近く準備してきた」とした上で、大規模な攻勢のタイミングについては、「“地域情勢の計算違い”に促された」として、アサド政権を支えてきたロシアとイランがウクライナ侵攻とイスラエルとの緊張が高まっている情勢を踏まえて、「我々は今が好機だと判断した」と述べました。 また、シリア北部と南部からの攻勢で、首都ダマスカスを包囲する計画だったとした上で、北部の都市アレッポが陥落した時点で、南部の別の反政府勢力と緊密な連携を取って攻勢を強めたことを明かしました。 さらに、作戦で重要だった要素として、「無人機」を挙げ、およそ5年前から偵察用、攻撃用、自爆用などの用途別に無人機の開発を進めてきたと述べました。 一部でウクライナなど外国の援助によって無人機を開発したのではとの見方もある中、ハムウィ氏はこれを否定した上で、「偵察用の無人機の性能が向上したことで、 夜間の戦闘能力が大幅に強化された」としています。 一方、今後の政治情勢については「シリアを再建する段階だ」と述べ、アサド政権側だった人々も含めて保護する考えを示しました。 現在、シリアの各都市に配置されている反政府勢力の軍隊は今後、正式な国防省に移行し、統一された軍が形成されるとの認識を示しました。