スタジアムシティや軍艦島で観光増 長崎県内の景気「緩やかに回復」 10~11月
日銀長崎支店が18日発表した10~11月の長崎県内金融経済概況は、景気の総括判断を「緩やかに回復している」と17カ月連続で据え置いた。開業から1カ月たった長崎スタジアムシティの各種イベントや端島(軍艦島)を舞台にしたテレビドラマ放映の集客効果もあって、観光は増加基調が続いている。 会見した伊藤真支店長はスタジアムシティについて「平日もコンスタントに集客している。イベントがある日は確実に県外客が増えており、長崎市内だけでなく周辺部の宿泊や飲食・サービスにも波及効果が出ている」と評価。効果が持続するかは「他地域との競争もあり、運営企業や地域の努力次第」と期待を込めて述べた。 先行きも緩やかな回復傾向が続くとみる一方、企業の人手不足感の強まりと物価上昇の影響のほか、海外経済の動向を注視していく必要があるとした。 観光を含め個別項目は全て判断を据え置いた。このうち個人消費は、一部に物価上昇の影響がみられるが緩やかに回復している。住宅投資は足踏み状態だが、公共投資は道路や港湾の整備がけん引し回復しつつある。設備投資は増加の動きが一服している。 生産は増加。主要業種別にみると、電子部品・デバイスと造船がどちらも増加し、機械・重電(原動機、大中型モーター、冷熱機器)は持ち直している。 雇用・所得環境は緩やかに改善。9月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、長崎市)は前年比プラス2%台半ばだった。