【動画】「なぜ大坂に巨城が必要だったのか」。大阪城の櫓特別公開でなぞに迫る
攻め手と守り手の双方の視点から城を見直す
幕末の将軍家茂は病弱とされていたが、大坂城に入城した際、櫓の急階段を自身で上り下りしながら、精力的に櫓を視察して回ったという。堀が浅く穏やかな江戸城とは異なる緊張感を、感じ取っていたに違いない。 大坂城再建後、幕末を迎えるまで、城内が戦闘態勢に入ることはなかった。しかし、江戸から遠く離れた大坂城の存在そのものが、2百年を超える徳川幕府の長期安定政権を下支えしていたといえる。 宮本さんは「櫓を外から見上げる攻め手の視点と、櫓の中で守り手の視点から外を見下ろす視点。双方の視点で大坂城を見つめ直すことで、新たな発見に出合えるかもしれません」と、歴史のだいご味を語る。守備兵が駐屯する中、今回公開されている金蔵から、御用金をまんまと盗み出したご金蔵破りもいたという。緊張がわずかにゆるむ瞬間があったのか。よもやの展開だが、人が織りなすからこそ、歴史はおもしろい。 特別公開は16日まで。午前10時~午後4時30分(最終入場午後4時)。大人(高校生以上)400円、小学生・中学生200円。くわしくは「大坂の陣400年プロジェクト実行委員会」公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)