<夫の家庭を壊すまで>ドラマPが松本まりかの演技を絶賛「“次は何やってくるだろう”みたいな面白さがありました」
松本まりかが主演を務めるドラマプレミア23「夫の家庭を壊すまで」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系ほか)が、ついに9月30日(月)放送で最終回を迎える。 【写真】ずぶ濡れになりながら見つめ合う松本まりか“みのり”と野村康太“渉” 本作は、赤石真菜の同名漫画が原作。純愛だと信じていた夫に不倫をされた妻が復讐を決意し、不倫相手の家族を追い込んでいく、痛快無比なリベンジエンターテインメント。夫に17年も裏切られていたサレ妻・如月みのりを松本、17年にも渡りみのりを裏切り続け不倫をしている夫・如月勇大を竹財輝之助、勇大の不倫相手でシングルマザーの三宅理子を野波麻帆、みのりに好意を寄せていく理子の息子・三宅渉を野村康太、勇大の母親・如月裕美を麻生祐未が演じている。 このたび、WEBザテレビジョンでは同作のプロデューサー・祖父江里奈氏にインタビューを実施。キャスト陣のオファー理由や、撮影の裏話などについて聞いた。 ■本当にいい役者さんがそろったなと思います ――初めに、今回のドラマを制作することになった経緯を教えていただけますか? テレビ東京のドラマ室の企画会議で「この原作を松本まりかさんでやったら面白いんじゃない?」というアイデアが湧いてきたんです。そこから話を進めていきました。 ――ということは、最初から松本まりかさんでいくことは決まっていたのでしょうか? そうですね。企画っていろんな経緯で決まっていくんですけど、やっぱり組み合わせが大事だなと思っていて。この原作を誰々さんで…とか、この原作を誰々監督で、脚本家の誰々さんで…というものが組み合わさって成立していくものだと思うんです。 今回はWEBTOONの中でLINEマンガ1位を獲得したりしている話題作でもあったので、“この原作を何とかドラマにできないかな”と思ったときに、“松本まりかさんがいいんじゃないかな?”という話になって、決まっていきました。 ――松本さんにオファーをされたときは、すぐにOKをいただけたのでしょうか? 事務所内でどんな協議があったかまでは存じ上げないですが、わりとすぐに「よろしくお願いします!」というお返事をいただきました。 ――メインで出演されている竹財さん、野波さん、野村さん、麻生さんのキャスティング理由を教えていただけますか? 今回はやっぱり“原作のキャラクターに合う人”ということを重視しました。竹財さんの事務所にオファーの電話をさせていただいたときには、マネジャーさんから「お、ピッタリですね!」なんて言っていただいたりして(笑)。 竹財さんはいろんな深夜ドラマとかに出演されていて、ちょっと言い方が悪いですけどダメ夫とかヒモ男とか、そんな感じの役をよくやられているので、きっとこの役もうまく演じてくださるだろうなと。 野波さんは相変わらずおきれいで、どこか魔性というか妖しげな魅力を放つところが不倫相手というところにピッタリだし、麻生さんはもう出てきた瞬間に「この人絶対裏がある!」って思いたくなるような(笑)。本当に演技がお上手な女優さんなのですが、それでいてコミカルな演技もお上手なので、ドラマの後半でみのりに復讐されていくところも、あまり悲壮感が出過ぎずにうまく演じてくださるだろうなと思いました。 野村くんはまだまだ若い俳優さんで、渉という役はこの作品では唯一ピュアでまっすぐなキャラクターなので、けがれがない純粋な部分と、まだこれから俳優として成長していく感じが役にハマる気がして、オファーさせていただきました。 ――皆さんすごく役にピッタリですよね。 本当にそうですよね。こういうちょっと刺激的な脚本のものって、やっぱり力量のある方がやるとすごく面白いなって。あまり演技経験がない俳優さんが演じると、安っぽくなってしまうんですよね。極端なストーリーなのでちょっと現実離れしたようなセリフとかも出てくるのですが、そういうのもうまくこなしてくださるので、本当にいい役者さんがそろったなと思います。 ■予想以上に大きな反響があって本当に驚いています ――ドラマが放送スタートしてから「TVer」でも多く見られるなど大きな話題になりましたが、周りの反響はいかがでしたか? いろんな人から「見てます」とおっしゃっていただいて、私たちもまさかこんなに見ていただけるとは思っていなかったです(笑)。テレ東の見逃し配信再生数、歴代1位を毎週更新しているような状況で、予想以上に大きな反響があって本当に驚いていますね。 ――第1話(7/8放送)から衝撃的な展開で、放送開始と同時に一気に話題になっていましたよね。 スピード感あふれる展開は最初から意識して脚本を作りました。原作がWEBTOONっていう電子コミックで、特徴としてすごく話の展開が早いというのがあるんです。なので、そのスピード感をそのままドラマに生かしていこう、という方針で脚本を作っていきました。そこに、唯一無二のまりかさんのお芝居がバチっとハマったのが、これだけ多くの方に見ていただけた結果の要因なのかなと思いますね。 ――実際に現場で松本さんの演技をご覧になっていかがでしたか? もうね、怖い! ゾクゾクする(笑)。実は上田(迅)監督にもまりかさんの演技の演出方針とかいろいろお話を聞いたのですが、まりかさんは主人公の感情のすり合わせをしていただけで、「このときこのセリフは、こういう気持ちで言っているよね」みたいな話し合いをして、そこがちゃんと合意できていれば、あとは本人が面白くしてくれるっておっしゃっていて。 一つ一つのセリフの解釈を監督とまりかさんで共有すると、まりかさんがいろんなパターンのお芝居を見せてくれるっておっしゃっていました。まりかさんって“憑依型女優”なんて言われていますが、ご本人はすごく緻密に計算して演技されているんですよね。何度もやり直すし、何度も話し合うし、手の小さな動きや呼吸の仕方など全部監督に相談して、いろんなパターンを試してお芝居を作り上げていくんです。彼女が繰り出してくるものはすごく魅力的だし、現場で見ていて“次は何やってくるだろう”みたいな面白さがありました。 ――ドラマでは結構緊迫したシーンが多いですが、撮影現場の雰囲気はいかがですか? すごく楽しいです(笑)。本当に“和気あいあい”という言葉がピッタリなくらい。ドラマのスタッフが私も含めて、前にやっていた「ブラックガールズトーク」(2024年テレ東系)とほぼ同じで、気心の知れたメンバーなんですよ。 ――そうなんですね。ドラマの前半で翼を演じていた子役の湯本晴くんがドラマの中ですごく癒やしの存在になっていましたが、現場ではどんな感じでしたか? 現場でもすごく癒やしでしたよ。“天真らんまんってこういうことだな”って思うくらい、現場でもずっとハイテンションでしゃべっているんですよ。妙におとなしい子役の子っているじゃないですか。礼儀を吹き込まれた大人びちゃった子っていう要素が一切なくて、全力で遊んでいて。「晴くんちょっと静かにして」みたいな(笑)。本当に癒やされましたね。 ■まりかさんと野波さんの演技対決もぜひ見届けていただきたい ――ドラマの中で流れるBGMも恐怖をかき立てるような雰囲気がピッタリだなと思ったのですが、その辺りのこだわりを教えていただけますか? あの不協和音みたいな曲ですよね。まさに最初の音楽打ち合わせのときに監督が「ゆがんだような世界観の曲を作ってほしい」と作曲家の岡出(莉菜)さんにオーダーしていましたね。“壊れたおもちゃ”のイメージみたいな。 主人公のみのりって、ちょっと夢見がちで幼稚な部分があるんですよ。それがゆがんでいくような様子を曲で表現してほしいっていうオーダーをしていました。すごくオーダーにピッタリで、耳に残るような曲を作っていただけたと思います。 ――また、ドラマの最後に流れる配信の告知動画もすごく本編とのギャップがあって、“ゆるい感じが癒やされる”と話題になっていますが、その辺りはいかがですか? これも、実はこんなに話題になるとは思っていなかったんですよ(笑)。別に“本編が暗いからここは明るくしよう”なんてことは全く思っていなくて。今は本当に配信時代なので、テレビドラマっていかに配信でも見てもらうかがすごく大事なんです。 だから、配信告知をなんとなくやるのではなくて、何か記憶に残るようにしたいよねっていう話から、「まりかさんがいろんなことにチャレンジしたら面白いんじゃないか」となって。なので、あまり深くは考えていなくて、印象に残る告知になればいいね、くらいの気持ちでした(笑)。 ――そうだったんですね。けん玉やルービックキューブなどいろんなおもちゃに挑戦されていましたが、告知動画を撮る前に練習とかはされているんですか? 練習はしていないです。「練習しないでください」って言っているので(笑)。「できなかったらどうしよう」って言うので、「できなかったらそれでむしろ大丈夫です」ってお願いしてやっていますね。 ――たしか知恵の輪を1回で成功されていましたよね。 そうなんです。まりかさんが渡していく知恵の輪を全部外していくので、びっくりしちゃって。知恵の輪の意外な才能を発揮していました(笑)。驚いたときのリアクションとかも全部素の表情なので、そこも含めて楽しんでいただければと思います。 ――いよいよドラマも最終回です。第11話(9/23放送)では“渉が裕美に刺されてしまうのか!?”という衝撃的なシーンで終わりましたが、最終回に向けての見どころや注目してほしい部分を教えていただけますか? まずは、みのりと渉の恋の行方がどうなるのかですよね。忍成修吾さん演じる琥太郎がみのりに好意を寄せていて、誰もが琥太郎を選んだほうが幸せになれると思うんですけど、それでもやっぱり渉くんを選ぶのかどうか…。 あとは、復讐とはいえみのり自身も誰かを傷つけたわけで、関係のない渉くんを巻き込み、離婚することによって幼い翼も傷つけた…。となると、復讐をしたみのりは許されるのか、ということに本人が悩んでいく。そこがドラマ全体の後半の大きなテーマとして描かれています。復讐をした人間は幸せになっていいのか、そしてその葛藤を乗り越えたうえで二人はどうなるのか、そこも見どころかなと思います。 ――第11話では麻生さん演じるお義母さんも暴走していましたよね。あのままおとなしく黙っているわけないだろうなとは思っていましたが…。 そうですね。お義母さんの行く末も一つの見どころではあるし、最終回では全員のその後を描くつもりでいるので、勇大や理子はどうなるのか、その辺りも楽しみにしていただけたらと思います。 そして、最終回のメインの対決はやっぱりみのりVS理子になるので、そこの女の対決も楽しみにしていただけたらと思いますし、まりかさんと野波さんの演技対決もぜひ見届けていただきたいです。 実はこのシーンは台風が近づく屋上で撮ったんですけど、撮り切れなくて、クランクアップの日まで持ち越したんです。本当は1晩で撮りたかったのですが、無理だったので、2晩かけて撮りました。「女二人の対決が嵐を呼んだね」って言いながら(笑)。そんな苦労が詰まった二人のシーンも楽しみにしていただけたらと思います。