大学は工学部を考えていたけれど…「研究室に“女子1人”なんて無理!」オープンキャンパスで抱いた違和感
「研究で遅くまで残ることも知っている。正直心配」
Aさんの母親は国立大学の出身です。キャンパスには文系学部も理系学部もあり、サークル活動でもさまざまな学部生と交流していたといいます。しかし、工学部や理学部の女子学生については、こう語ります。 「理系は研究室で長時間過ごすことが多いでしょう? 帰りが遅くなる人もいたし、研究室に泊まり込んで仮眠…なんて話もよく聞いていたの」 「お母さんが通ったころは法学部や経済学部も女子は3割程度だったけど、それでもゼミに女子1人ぼっち、というような状況はなかったわ。でも、工学部や理学部の女の子たちは、友達づくりも大変そうだった。あなたが本当にやりたい分野なら止めないし、応援したいけれど、正直いうと心配よ」 そんな話を聞いて、Aさんは女子比率が比較的高い私立大学に進学するか、理系のなかでも建築系や化学系など、女子率が高い学科を選ぼうかと考えるようになりました。
有名私大の工学部では先行して女性が増えている
近年、IT系など技術系職種の人気が高まり、理工系学部に興味を持つ女子学生は着実に増えています。キャンパスに女子学生が比較的多い私立大学では、理工系学部の女子割合も高くなってきており、例えば早稲田大学先進理工学部では、2024年度の学部生のうち約3割が女子をしめています。 先ほどのAさんも「せめて2割、5人にひとりくらいは女子がいてほしい」と話してくれました。 国立大学理工系学部で進む「女子枠」設置には、確実に女子の人数が増えるという安心材料として、価値が出てくるのかもしれません。 【参考】 ▽文部科学省/令和7年度国公立大学入学者選抜の概要 ▽早稲田大学/学生に関する情報 ◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。
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