なぜ浦和ショルツの警告が急増? 81試合3枚→12試合4枚に見る戦術変更の“負担”
今季の警告はすべてSPAによるもの
一方で、昨季に比べて明らかに失点が増加し、攻撃的にシフトしたこととは関係なくブロックを組んだ状態からあっさりと突破されてしまうような状況もある。それだけにショルツは、「あとはもう少しハードにプレーしようとしているのかなと思います。チームは全体に強くない部分が見えるので、チームがもっと強いところを表現できるように自分が表現している形なので。ただ、イエローカードに関してはなるべくもらわないようにしないといけません」と話す。 ただし、広大なスペースのカウンターを管理するタスクについては「それも大きな要因ですね。今日のイエローカードは相手がショートで試合を始めて、スペースが広大だったので50メートルを走るよりもカウンターを止めようという判断をしました。誰も周りに味方がいなかったので、僕が止めるしかなかった。これは戦術的な部分なので、攻撃的なサッカーではそのような代代償を払うことになります。チームが本当にオフェンシブにプレーしたいので、うしろはイエローカードが出てしまうような形になってしまいます」と話した。 今季のショルツのイエローカードは公式記録ではすべて「C1(反スポーツ的行為)」とされるもの。相手の大きなチャンスになり得るプレーをファウルで止める、通称「SPA」と呼ばれるプレーによるものだ。その負担の大きさは、このデータがかなり示していると言えるのかもしれない。 最終ラインからドリブルで持ち上がるプレーやPKの正確性なども含め、浦和では「神」とすら称されるショルツ。彼をしてこのような状況に陥るだけに、今季の浦和が見せている攻撃的姿勢の裏側にある危うさも確かに存在している。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada