IMFは2024年のアメリカのGDP成長率予測を2.8%に引き上げた。

国際通貨基金（IMF）は、2024年のアメリカの経済成長予測を2.8％に引き上げた。 一方で、2025年の成長率は政府予算の削減と雇用市場の冷え込みにより、2.2％に鈍化すると予想している。 IMFは、人口の高齢化と生産性の低下が多くの国の成長を抑制していると述べた。 国際通貨基金（IMF）は、世界最大の経済大国であるアメリカの成長見通しを引き上げ、2024年の成長率を同年7月に予測した2.6%から2.8%に上方修正すると発表した。 2024年10月22日に最新の世界経済見通し（World Economic Outlook：WEO）を発表したIMFは、成長予想率引き上げの主な理由として、「実質賃金の堅調な上昇」と資産価値の上昇による消費の高まりと非住宅投資の2つを挙げた。 しかし、IMFはアメリカ政府が支出を抑制し、労働市場が冷え込み、消費も落ち込むため、2025年のGDP成長率は2.2％に鈍化すると予測した。 IMFは2024年と2025年の世界経済成長率を3.2％と予測しており、これは前回の予測とほとんど変わっていない。また、今後5年間の世界経済成長率に関する最新の予測である3.1％については、コロナ禍前の平均と比較すると「平凡」だと強調した。 「人口の高齢化や生産性の低下といった構造的な逆風が長く続き、多くの国の経済の潜在的な成長を妨げている」とIMFの分析チームは記している。 中国の輸出は堅調であるため、2024年の成長率は4.8%とわずかな減速にとどまると予測し、2025年は4月の予測を0.4%ポイントを上方修正して4.5%とした。また、中国政府の景気刺激策は「目先の成長に上振れリスクを与える可能性がある」と指摘した。 IMFはユーロ圏については「2023年に頭打ちとなったが、2024年には輸出の増加によって0.8％成長し、その後、2025年には、国内需要の改善を背景に1.2％に加速すると予測している」と述べた。