最高時速349.4キロは当時の世界最速市販車! 30年前の個体なのに走行距離5600キロの極上ジャガー「XJ220」を発見 どんなスーパーカー?
TWRとジャガーが生み出した、281台のみ作られたスーパーカー
2024年12月にドバイで開催されるRMサザビーズのオークションに、1993年型 ジャガー「XJ220」が出品されます。どんなクルマなのでしょうか。 【画像】30年前のスーパーカーなのにピッカピカ! 極上のジャガー「XJ220」を写真で見る(32枚)
1982年にジャガー XJSをヨーロッパ ツーリングカー選手権(ETC)で栄冠に導いたトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)は、その後ジャガーの世界スポーツカー選手権(WSC)プログラムを率いていました。 7リッターのV型12気筒エンジンを搭載した「XJR-9プロトタイプ」は、グループC全盛期の1988年にポルシェを蹴散らし、ル・マン24時間レースを制しました。 こうして注目を集めたXJR-9の成功を考えれば、新たなスーパーカーを開発する際、ジャガーが誰に依頼すべきかは明らかでした。 予想最高速度の220mph(約352km/h)にちなんで命名された「XJ220」のコンセプトは、レーシングカーのXJR-9に倣ったもので、自然吸気の6.2リッターV12エンジンの搭載が計画されました。 しかし、長い開発期間とより厳しくなった排出ガス規制により、グループBマシンのMG「メトロ6R4」のラリー車用エンジンに由来する、3.5リッターV6ツインターボが搭載され、最終的に281台が生産されました。 それでも、TWRとジャガーが一体化してジャガースポーツを設立したことで、フェラーリ、ランボルギーニ、そしてポルシェが送り出した最高のマシンを打ち負かすことができました。 レブリミッターを上げ、ワークスドライバーのマーティン・ブランドル選手がステアリングを握ったXJ220は、イタリアのナルド サーキットで349.4km/hを記録し、世界最速の市販車となったのです。 今回出品される個体は、1993年3月31日にジャガースポーツによって完成され、XJ220の特徴であるスパ シルバーのボディカラーが、スモークグレーのレザーインテリアを引き立てています。 納車日は同年6月10日でしたが、英国のディーラーであるプレストンのWilliam Loughranを通じて初代オーナーが購入し、1997年8月18日に登録されるまでには、さらに4年を要しています。 その直後、イギリスのニューカッスル近郊にあるXJ220のエキスパート、ドン・ロウ レーシングで、スポーツエキゾーストとアップグレードされたブレーキが装着されました。 この車両は2008年10月、RMサザビーズ・ロンドンのオークションに出品されました。そしてロシアのオーナーを経て、2023年後半にアラブ首長国連邦のオーナーに渡っています。 2024年8月にドバイのドラゴン レーシング インターナショナルで、10万3615UAEディルハム(1UAEディルハム=42円として、約435万円)の費用で再コミッショニング サービスを受けました。 なお、オドメーターは最近ドン・ロウ レーシングによって修理され(請求書はファイルで閲覧可能)、走行距離は5679kmと記されています。 このXJ220には、ツールキット、救急箱、ジャガー・ディムラー ヘリテージトラスト(JDHT)の証明書が付属しています。 ファクトリーカラーの組み合わせで登場した、当時のフラッグシップだったジャガー XJ220は、1990年代のスーパーカー コレクターや熱心なジャガー愛好家にアピールすることは間違いないでしょう。 この1993年型 ジャガー XJ220の希望落札価格は、40万USドル~50万USドル(1USドル=155円として、6200万円~7750万円)となっています。
VAGUE編集部
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