老舗ソープの閉店、大手チェーン化が続く中で…地元で愛され今なお元気な〝ご当地ソープの名店〟とは
個性的な老舗が続々と閉店
台風10号の襲来に日本中が震撼していた8月31日、東京・御徒町のソープ『ニュー桃山』が閉店した。創業50年以上の老舗で、50分総額1万3000円~という手頃な料金で早朝7時から遊べる〝ご当地の名物店〟であった。 【えっ、いつの間に…】閉店した老舗ソープが大手チェーン店になっていた! 地域に密着した老舗、いわゆる〝ご当地ソープ〟は、日を追うごとに減少している。 背景には、30年以上に及ぶ日本経済の長期停滞、新幹線やLCCなど交通インフラの発展、パソコンやケータイなど通信機器の進化によるネットの浸透と情報化社会の到来、出張型風俗の隆盛と過剰供給など、さまざまな理由が複雑に絡み合っている。だが一番の要因は、多くの老舗が〝時代の移り変わり〟についていけなかったことにある。とくに全国各地で老舗ソープの消失が目を引くようになっていったのは’00年代以降のことだ。 「地域にソープが少ないうえ、近隣に大きな歓楽街もない。高齢者が多いエリアで昔から通い続けている常連客が多数いることから他店との集客競争をあまり考えることなく、料金設定は高め。そんな昔ながらの経営方法を貫き通し、創業以来数十年とスタイルを変えずに営業し続ける。こういった店が、時代の変化の波に飲み込まれて次々と閉店に追い込まれていったように思います。 この流れをさらに加速させたのが’20年からのコロナ禍でした。濃厚接触が忌避されたことで客数が大幅に減少。老舗の店舗型風俗店の多くが経営危機に陥りました。以降、老舗が閉店した跡地にオープンする新店は、大きな資金力と風俗激戦区で磨かれた優れた経営ノウハウを持つ大手グループのチェーン店が、それまで以上に主体となりました」(ソープ店関係者) ◆〝ご当地ソープ〟に取って代わる大手チェーン店 経営力の違いは、ホームページを見比べれば一目瞭然だ。勢いのある大手グループ店では、トップ画面に大きく割引情報やイチオシの女性の紹介などをして、巧みに顧客の興味を引きつけている。これに対して、老舗の中にはサイトに割引やコスプレなどのイベント情報がないだけでなく、女性の紹介や出勤情報さえない店もある。ユーザーへ提供する情報の質量と表現力に格段の差があるのだ。 個性あふれる老舗が消滅しチェーン店に取って代わられるのは、面白みがなくなり残念で寂しく感じる。だが、地元の客側からすると、わざわざ大きなソープ街まで行かなくても、以前あった店よりもはるかにコスパ良く楽しめるのだから、夢のような話である。 徹底的に合理化されたチェーン店は驚くほど費用対効果が高く、手頃な価格でハイレベルな女性による上質なサービスを与えてくれる。これは風俗業界が進歩している証でもある。福井市と姫路市では、コロナ禍の発生後に老舗ソープが大手グループのチェーン店としてリニューアルし、遠目からでもよく目立つ外観や看板に様変わりした。ホームページも一新され、遊びやすくなったという声も多く聞かれる。 ソープとしては営業継続が難しくなった前出の『ニュー桃山』は閉店後、キャストの受皿として『鶯谷桃山』というデリヘルを立ち上げ、9月21日にオープンした。だが、閉店する老舗がある一方で、元気に営業を続ける優良な老舗もある。時代の流れに合わせた営業ができている老舗は、「ポータルサイトで情報をこまめに配信」「写メ日記やランキングなどのコンテンツに力を入れる」などといったネットを駆使した経営ノウハウと、「長い歴史」「知名度の高さ」などを生かした昔ながらの〝地域密着・アナログ型〟ともいうべき経営戦略を組み合わせることで、より大きな収益を上げているのだ。 未だ地域の人たちに愛されながら営業を続けている全国の〝ご当地ソープ〟の名店たち。有料版『FRIDAY GOLD』では、その中からピックアップした日本各地の〝超穴場店〟リストを紹介している。 取材・文・写真:生駒明
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