国民・玉木代表は“年収の壁”解消で注目集めるも…「消費税減税とインボイス廃止を訴えて」の必然
衆院選で公示前の7議席から4倍増の28議席を獲得。少数与党に転落した自民党だけでなく、第一野党の立憲民主党からもラブコールを送られている国民民主党。玉木雄一郎代表(55)は衆院選直後からメディア露出が一気に増え、連日のようにTV各局をハシゴしながら取材インタビューを受ける姿が目立つ。 【写真】高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃! とりわけ大きく報じられているのが、国民民主が「手取りを増やす」策として選挙戦で主張していた「年収の壁」の引き上げだ。 年収が基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超えると所得税などが発生するが、この「壁」を178万円まで引き上げることで税負担を軽減し、手取りを増やそうというもの。 TVのワイドショー番組でも街頭インタビューで賛否を聞いたり、専門家の解説を織り交ぜたりして詳しく紹介。政府(財務省)が引き上げによって税収が国と地方で合わせて7兆~8兆円減収する、などと試算したことから、議論の先行きに早くも不透明感が漂い始めているのだが、その一方で、国民民主の支持者とみられる人の意見にみられるのが、《玉木代表は「年収の壁」よりも他の重点政策を積極的に取り組んでほしい》《「年収の壁」の引き上げよりも、幅広い効果がある「消費税減税」や「インボイス廃止」を自民に訴えて》との声だ。 ■「年収106万円の壁」を意識して働いている可能性のある人は約60万人だが… 「手取りを増やす。インフレに勝つ。」「減税・社会保険料の軽減・生活費の引き下げで、みんなの手取りを増やす。」 国民民主が衆院選前の9月20日に公表した「国民民主党2024年重点政策」。玉木代表は会見で、「現在、税金・社会保険料が高いため、給料が上がっても手取りが増えないという弊害が発生している。今回の重点政策では特にそれらに対して、社会保険料負担の軽減や電気代・ガソリン代の引き下げといった生活費の軽減、所得税・消費税の減税といった政策をパッケージにしている」と説明。 この時、掲げていたのが「年収の壁」の引き上げに加え、実質賃金が持続的にプラスになるまでの間、時限的に消費税率を5%に引き下げること、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」を発動してガソリン価格を引き下げる、インボイス廃止――などだった。 玉木代表は4日配信の時事通信のインタビューで、消費税5%への減税を問われ、「短期の経済政策としては有効で必要だ。消費税減税も同時に求めていくが、相手もあることだ。まずは103万円の引き上げを高い優先順位で取り組みたい」と答えていたが、厚労省の推計によると、社会保険料の支払いが生じ始める「年収106万円の壁」を意識して働いている可能性のある人は約60万人だという。 「103万円の壁」を意識している人がどれくらいなのか不明だが、それよりも全国民を対象にした消費税減税5%や、中小零細企業や個人事業主から負担増を訴える声が目立つインボイスの廃止、ガソリン価格を引き下げるためのトリガー条項発動(凍結解除)の方が政策効果としては高いのではないか。 玉木代表に対して「年収の壁は後回しで」との意見が出るのも無理はないだろう。 ◇ ◇ ◇ 自公惨敗に対して躍進した国民民主。●関連記事【もっと読む】『国民民主・玉木代表「野党結集」裏切りの歴史…浮かれる政局キーマンは政権交代の足を引っ張ったA級戦犯』【さらに読む】『国民民主党「躍進」で政局のキーマンに…ウキウキ玉木代表の裏に潜む小池都知事に要警戒』を取り上げている。