息子が「高校を卒業したら働く」と一言。進学するより早く経験を積めるので、昇進も早いですよね? それとも、学歴が収入を決めるのでしょうか?
高卒で働くメリットは大きい?
高卒で働くと、進学資金は考えなくて済むでしょう。労働者福祉中央協議会が2022年に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」の結果によると、奨学金利用者の平均借入総額は310万円となっています。 しかし、紹介したように学歴による生涯賃金の推計データをみると、310万円を大きく上回る差が生じています。結果的には、大学を卒業してから就職したほうが、経済的メリットが大きいとも考えられます。 高卒者は大卒者と比較して、早めに社会人となれるメリットがあります。ただ、必ずしも大卒者よりも早く昇進できるとは限らないでしょう。高卒者は大卒者と比べて、従事可能な業種や職種の選択肢が狭くなる傾向があります。大幅な昇進が期待できる企業や職種に就職できるかは不透明です。 また、経験年数よりも学歴により業務内容や役職を決定する企業があることも否定はできません。そうした傾向は、学歴による月給や生涯賃金の差からもうかがえます。
子ども本人の意欲次第
高校を卒業したら働くという意思が強い場合、子どもの判断に任せるのも重要でしょう。無理に大学に通わせても将来によい影響を及ぼすとは限らないためです。一度就職し、その後学び直したいと考えた場合には、改めて大学に通うという選択肢もあります。社会に出てからでなければわからないことも少なくありません。学び直しは簡単ではありませんが、それも本人の意欲次第といえます。
収入面は学歴の影響を受けやすい
学歴社会に対して肯定的な人ばかりではないでしょう。しかし、統計データをみる限りは、少なくとも収入面は学歴によって差がみられます。高卒者は大卒者と比較して、月給では10万円ほど、生涯賃金では最終的に6000万円ほどの差が出るといったデータや推計は無視できません。 一方で、子ども本人の意思や選択も無視はできないでしょう。親としては心配でも、最後は本人の意欲や判断に委ねるのも親心といえます。 出典 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別にみた賃金 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 2023 生涯賃金など生涯に関する指標 労働者福祉中央協議会 奨学金や教育費負担に関するアンケート調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部