【液状化とは】内灘町を現地調査した専門家「土地の傾斜がかなり影響しているのでは」地面が持ち上がるメカニズムを解説【能登半島地震 MBSニュース解説】
――液状化現象とは何か。ふだん地盤は土の粒子が支えあい、その間を水が満たして支えているような状態ですが、地震が起きると土の粒子がバラバラになって土と水とが分離し、地盤沈下や亀裂が発生するメカニズムです。液状化現象が発生しやすい条件はあるのか、京都大学防災研究所の上田恭平准教授に聞きます。 【全国の活断層】Sランク最新の地震発生確率が公表『今回の能登半島の活断層』がないのはナゼ? (京都大学防災研究所 上田恭平准教授)基本的には強い地震の揺れが加わることが一つの要因になります。あとは地盤が揺れやすい周期帯(0.5~2秒間の横揺れ)の地震が加わること、地震が大きいこと、揺れる時間が長いこと、あとは地形的な問題で、沿岸部で地下水位が高いこと、砂で主に構成されているような地盤は液状化しやすいです。
――内灘町は震度5弱。珠洲市や志賀町より震度が小さいのに、液状化被害は内灘町の方が多いように見えました。 輪島や珠洲でも液状化は起こっていると思います。ただ内灘町で少し特殊なのは、本来震度5弱であれば、ここまでの液状化までは起こりにくいと思います。 ――今回の内灘町はこれらの条件が揃った状態だったんでしょうか。 (京都大学防災研究所 上田恭平准教授)液状化が発生したところは、やはり全ての条件が揃っていると考えていいと思います。内灘町の地形が関係しているんですね。土地が砂丘で、砂丘自体にそれほど液状化リスクはないんですが、砂丘から低地に向かって、低地に向かうところは地下水位が基本的に高くなりやすいです。なおかつ、砂でできた地盤だったことが、かなり液状化の要因にはなっていると思います。
やはりわずかですけれど、土地が傾斜していることが隆起、沈下、道路の起伏にかなり影響しているんじゃないかと考えられます。液状化した泥水がアスファルトを押し上げて、アスファルト自体が変形、最悪割れるということになりえます。 ――上田准教授が現地を調査して感じた「被害のコントラスト」というものがあるそうですが・・・。