【液状化とは】内灘町を現地調査した専門家「土地の傾斜がかなり影響しているのでは」地面が持ち上がるメカニズムを解説【能登半島地震 MBSニュース解説】
実は干拓地はそれほど液状化していない
(京都大学防災研究所 上田恭平准教授)内灘町の南側はあまり液状化していなくて、河北潟の南も「液状化マップだと液状化しやすい」とされているんですが、液状化していませんでした。実は干拓地もそれほどしてなくて、いっぽう内灘町西荒屋であったり、北側の低地の部分で液状化が発生していました。 ――県道8号の東側は干拓地で元々、河北潟だったものを昭和40年ごろ埋め立てています。水分は多いのですが、そちらはあまり被害が出なかった。上田准教授によりますと、「低地との境目であることと、沿岸部や水辺が近い場所は、浅いところに地下水がある」など、液状化しやすい条件が重なったということです。 ――では、液状化対策は何かあるのか、個人レベルでできることは少なくて、行政レベルではあるそうです。
土の入れ替え、薬剤、想像するだけでも大変
(京都大学防災研究所 上田恭平准教授)地盤を改良、土を入れ替える、薬剤で固める、鉄やコンクリートを入れて強固にする、地下水を吸い上げる、などがありますが、土を入れ替えるのは、液状化しやすい土から、液状化しにくい土に変えるということなので想像するだけでも大変ですし、薬剤で固めるのも、やはり広域で考えると大変です。流動をコンクリートやブロックで防ぐこともできるんですが、やはりどれも広域で対策をしないと駄目で、個人宅で対策をしても、防ぎきれないと思います。 ――千葉県浦安市では、格子状に土地を強化したことがあるそうですが、ほかの地域でも可能でしょうか。 そうですね、該当地区に住んでいる住民の同意がまず必要ですし、そういうものがあれば工法としてはいろいろ確立されています。全建物の下の地面を固めたり対策をするのは、お金がすごくかかりますので、重要度というか、災害時に避難する場所とか、病院とか、そういうところは現時点でも液状化対策されていると思いますけれど、やはりもう一度リスクを見直してもらう必要があるのかなと思います。
――個人でできる対策としては、国土地理院が「重ねるハザードマップ」を公開しています。大阪などは広い範囲で赤(液状化のリスクが高い)となっています。ぜひお住まいの地域が液状化しやすいかどうか確認してください。(2024年1月16日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より) ◎上田恭平:京都大学防災研究所 准教授 専門は地盤地震工学 液状化現象を研究