世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.123「マシン差は埋められない時代、だからマルケスはファクトリーにこだわった」
マルケスが焦っているかどうかまでは、分かりません。でも、すべてを投げ打ってでもチャンピオンへの熱意を剥き出しにする様子は、鬼気迫るものがあります。これだけMotoGP全体をかき回しての移籍になるわけですから、来年は彼にとっても正念場でしょうね。 ちょっと名前が出たので触れておきたいのは、アコスタです。来年はKTMファクトリー入りが決まっていますが、これは誰もが納得しているでしょうね。前にもお伝えしましたが、アコスタのブレーキングはハンパない! 化け物です(笑)。 ブレーキング初期、マシンがまだ起きている段階ではファビオ・クアルタラロがすごい。でもアコスタは、マシンを寝かせ始めてクリッピングポイントまでブレーキコントロールが抜群です。マルケスでさえ止まり切れずにオーバーランしてしまうような場面でも、しっかり減速する。しっかり減速できているから、しっかり曲げられる。しっかり曲げられるから、しっかり加速しながら立ち上がれる……。 マルケスのおしりに火を点け、「何がなんでもファクトリーチーム入りを」と思わせた理由のひとつに、アコスタの存在も大きかったと思います。 ──2023年は慣れ親しんだレプソルホンダとの最後の年になった。 ──2024年はドゥカティサテライトのグレシーニで。2025年は赤いマシンを駆ることになる。 TEXT: Go TAKAHASHI PHOTO: Red Bull ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。