育つ宝石「ジュエルオーキッド」ってどんな植物?
最近、観葉植物店などでもよく目にするようになった「ジュエルオーキッド」と呼ばれる植物たち。日本名は、宝石蘭。キラキラと光り輝く美しい葉が特徴です。 みんなのジュエルオーキッドの写真 『趣味の園芸』2024年2月号では、テラリウムクリエイターの石河英作さんが、個性的なジュエルオーキッドの仲間をはじめ、失敗が少ないテラリウムでの育て方や管理のポイントを教えてくれました。同じ種類でも、個体によって違いがあり、自分だけの一鉢を見つける楽しみも。テラリウムに仕立てるなど、飾り方を工夫できるのも醍醐味の一つ。お気に入りを見つけて輝く姿を楽しんでみませんか?
ジュエルオーキッドとはどんな植物?
じつは「ジュエルオーキッド」という種は存在しません。なぜなら、この名は「葉の模様が美しいラン」の総称だからです。主に東南アジアの熱帯雨林に自生しており、マコデス属やアネクトキルス属、ルディシア属などが代表的。その多くに光り輝く模様があります。「宝石蘭」という日本名が示すとおり、シュスラン(繻子蘭)やナンバンカゴメラン、ミヤマウズラなど、日本に自生している種も多くあります。
キラキラの葉、なぜ光る?
ジュエルオーキッドの仲間は、どれも地生ラン。熱帯や亜熱帯の葉が生い茂った森林の地面に根を下ろして生えています。薄暗い森の中で、効率よく光合成を行えるように、輝く構造をもったという説があります。葉そのものが発光するのではなく、レンズのような構造で光が当たると反射して、キラキラと輝くのです。種類によって、光の反射が強いものと弱いものがあります。日本に自生するシュスランの仲間など、光らないものもあります。
最初の一鉢は王道から
「ジュエルオーキッドといえばコレ!」というほどの代表種、マコデス・ペトラ。細かい網目模様が美しく、ネオンカラーの輝きも強くてゴージャス。和名はナンバンカゴメラン。流通量も多く、育てやすいので「最初の一鉢」におすすめです。
★気をつけよう★ ジュエルオーキッドのなかには、絶滅のおそれのある種の保存に関する法律により保護されている種類があります。国の許可を得た販売業者から購入しましょう。購入した株を育てることは問題ありませんが、増殖・譲渡・販売するには、国への届け出が必要な場合があります。 石河英作(いしこ・ひでさく) テラリウムクリエイター ランの種苗会社にて育種や企画に携わり、独立。コケが主役の植物ブランド「道草」を設立し、センスのよいテラリウムで人気を博す。「植物を楽しく育てるきっかけづくり」をコンセプトに、植物との多様な接し方を提案している。 ●『趣味の園芸』2024年2月号 注目特集「輝け!ジュエルオーキッド」より