ブリッジウォーター創業者、アブダビAI企業とのベンチャー設立断念
(ブルームバーグ): ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏のファミリーオフィスと、アブダビ投資庁会長を務めるシェイク・タフヌーン・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン氏の人工知能(AI)企業G42は、アブダビで資産運用ベンチャーを共同で立ち上げる計画を断念した。事情に詳しい関係者が明かした。
非公表の内容だとして匿名を要請した関係者によると、提携にあたり、ブリッジウォーターの知的財産(IP)が利用される恐れがあるとの懸念が計画断念の理由の一つだ。
ブルームバーグ・ニュースは7月、75歳のダリオ氏が、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターを去る際、競合避止義務の契約に署名していたと報じた。 ダリオ氏がブリッジウォーターの主要顧客の1人でG42会長でもあるシェイク・タフヌーン氏と投資提携を計画したことで、契約内容が精査されることとなった。
G42、ダリオ・ファミリー・オフィス、ブリッジウォーターの各社はコメントを控えた。 ダリオ氏とブリッジウォーターは以前、この件に関して両者の間で話し合いや対立はなかったと述べていた。
ブリッジウォーター創業者、アブダビの計画に遅れ-退任条件が障害か
関係者の1人によると、両社が将来的にこの計画を復活させる可能性は残っている。
ダリオ・ファミリー・オフィスはG42に出資している。保有株式の詳細について正式な開示はない。両社は以前にも、インドネシアの海洋生態系保護など、複数のプロジェクトで提携している。
G42は中東で最も著名なAI企業であり、米国の大手プライベートエクイティー(PE、未公開株)企業であるシルバーレークや、3020億ドル(約43兆7300億円)規模のアブダビ政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントなどが出資している。また最近では、中国とのあらゆる協力関係を解消するとの合意を経て、マイクロソフトから15億ドルの投資を受けることになった。