米国、イスラエルへの爆弾輸送を停止-ラファ侵攻間近との懸念で
(ブルームバーグ): イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部のラファへの大規模な軍事侵攻に近づいているとの懸念から、米国はイスラエルへの爆弾輸送を停止した。米高官が明らかにしたもので、ガザへの本格侵攻にはバイデン米大統領が反対している。
機密事項だとしてこの高官が匿名で7日に明らかにしたところでは、重量2000ポンド(約907キロ)級の爆弾1800発と500ポンド級の爆弾1700発が輸送される予定だった。
同高官は、100万人以上のパレスチナ人が避難しているラファのような人口が密集した都市に強力な爆弾が使用された場合の被害をバイデン政権は懸念していると説明。米国はこの輸送をどのように進めるかについて最終決定は下していないという。
輸送停止の決定についてはAP通信が先に報じていた。昨年10月7日のハマスによる襲撃事件以来、米国とイスラエルの関係が最も悪化したことが浮き彫りとなっている。
イスラエルにとって米国は長く軍事面で最大かつ最も信頼できる支援国だったが、バイデン大統領はネタニヤフ政権に対し、ガザの市民の保護をより重視するよう求めている。
バイデン政権は4月、武器移転の一部について見直しを始めた。再三の警告にもかかわらずイスラエルの指導者がラファへの本格侵攻の決定に近づいているとみられたためだ。ラファ侵攻計画を巡る米国とイスラエルの協議は続いているが、米政権の懸念に完全に対処するには至っていないと米高官は述べた。
原題:US Paused Weapons Shipment to Israel Over Rafah Invasion Concern(抜粋)
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Jordan Fabian