石畳の雄大な広場「グラン・プラス」にきらめく夕日 過去と現在が交錯する街ブリュッセル 芸術家フォロンの祖国㊤
石畳の小路を歩くと多様な人種の人たちとすれ違う。白人や黒人、アジア人…。ブリュッセルの住民120万人のうち7割以上は外国人という。加えて世界中から観光客も訪れ、まさに欧州の交差点だ。
街中にはそうした観光客向けに観光名所「小便小僧」を模した色とりどりのチョコレートを取り扱う店もある。ベルギー名物同士のユニークなかけ合わせに笑ってしまった。
日が暮れるころ、世界遺産「グラン・プラス」にたどり着いた。フランス語で「大広間」の名前通り縦約110メートル、横約70メートルの石畳の広場は広大で、周囲には市庁舎や市立博物館など歴史的建造物が立ち並ぶ。
夕日が広場を行き交う観光客を照らし、建物の装飾が黄金色にきらめく-。そんな美しい光景に、この地で過ごす数日間がとても楽しみになった。
来年4月に「フォロン展」作品来日は30年ぶり
ベルギー出身の世界的芸術家、ジャン=ミッシェル・フォロンの没後20年を記念した回顧展「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」(産経新聞など主催)が来年4月、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で開催され、絵画や彫刻、ポスターなど約230点が展示される。
フォロンはベルギーを代表する芸術家の一人。米誌タイムなどの表紙絵を手掛けたほか、人権や環境問題をテーマにした水彩画などを数多く残した。
日本での展覧会は約30年ぶり。同展はまず今年7~9月、東京で開催される。大阪の会期は来年4月5日~6月22日。問い合わせはあべのハルカス美術館(06・4399・9050)。
■ブリュッセル ベルギー王国の首都。日本からブリュッセル空港までは直行便で13時間あまり。市街地には「小便小僧」をはじめ世界一美しい広場といわれる世界遺産「グラン・プラス」などの観光名所がある。王立美術館やベルギー出身の画家、ルネ・マグリットの作品を多数収蔵するマグリット美術館などの芸術施設も多い。(小川恵理子)