吉田秀彦 日本柔道界に危機感!?「4年後は、たぶんメダルを獲れなくなっちゃっているのかなって…」
◆パリ五輪での日本柔道の現在地に“危機感”
丸山:柔道界の目標はどうですか? 吉田:今回のパリ五輪を見ていて、次のロサンゼルスオリンピック(以下、ロス五輪)の柔道がどうなっているか。4年後は、たぶん(今以上に)メダルを獲れなくなっちゃっているのかなって。 丸山:いやいや、そんなこと言わずに……。 吉田:今回、そういう危機感を抱くようなことがあったから、“これじゃダメだな”と思ったんで。(ロス五輪では)どうにかそうならないように、選手をもっと鍛えていきたいなと。 丸山:なるほどね。阿部一二三選手や阿部詩選手は、4年後は年齢的に全然大丈夫なの? 吉田:ベテランの域ですね。一二三は今27歳で今度は31歳なので、下から追い上げてくる選手もいるし、(4年後は)どうなるか分からないですけど、本人は「4連覇する!」って言っているので。 丸山:なるほど。 吉田:まあ、そういう気持ちがあるってことは大事ですから。詩も今回負けて「この借りはロス五輪で返すしかない」って言っているので、2人はそこまでやると思いますけど。 丸山:世界選手権でまたポンといきなりメダルを獲ったりするんだよね。でも、何でオリンピックだけそうなるんだろうってあるよね。 吉田:そうなんですよ。世界選手権は勝てるけど、オリンピックでは勝てないって言われる選手もいるし。 丸山:いろいろな競技でいっぱいいるよね。オリンピックって特別だよね。ちょっと不思議なパワーがある。 吉田:そう、本当に不思議。 丸山:今回、(ゴルフ日本代表の監督として)現場にいてそう思いましたよ。あの松山英樹が、メダルを獲りにいっている感が満載だったもん。だから、最後のパットを外したときの悔しがり方って、普段のトーナメントではなかなか見せない悔しがり方だった。 吉田:なるほどね。 丸山:普段は自分だけのことだから、(オリンピックのように)国を背負っている的なところがやっぱり出てくるんじゃないかなって。 吉田:丸ちゃんは、監督として何か一言声をかけたの? 丸山:一言もかけていない。 吉田:ハハハハハ!。 丸山:盛り上げて、明るくすることが精一杯でしたね。 吉田:それでいいんですよ。 丸山:ただ、談笑のときは盛り上がっていましたよ。もちろん、そこだけは盛り上げるのが得意だったから。それだけが僕の取り柄だと思っているので(苦笑)。一応コーチもいるし、トレーナーもいるから、僕は口を出すことはない。でもね、彼は探求心がすごくて情報収集能力が強いから、いまだに「このシチュエーションではどうやって打つんですか?」とか、小さなことも聞いてくるんですよ。 吉田:へぇ~。 丸山:「丸山さん、オフって何して過ごしていたんですか?」とか、すごいなと思う。世界に出て、日本でぶっちぎりの選手がいまだにいろいろと情報収集してより上手くなろうとしているあの姿勢ってすごいなと思う。 吉田:そういう姿勢は大事ですよね。 (TOKYO FM「ACN presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」2024年9月14日(土)放送より)