シマトネリコ、カエデ、ヤマボウシ...美しい樹形を保つための剪定チェックポイント
庭植えや植栽の樹木、つい放置していませんか? 順調に育っていても、適切に剪定(せんてい)をしておかないと、数年後、大きくなりすぎて手に負えなくなってしまうかも。『趣味の園芸』12月号の「人気の"株立ち"はこうして剪定」では、大ロングセラー『NHK趣味の園芸 切るナビ!庭木の剪定がわかる本』の著者にして、『趣味の園芸』連載「園芸相談室」でのわかりやすい回答で人気の上条祐一郎さんに、正しい切り方をズバッと教えてもらいました。 シマトネリコ、カエデ、ヤマボウシなど、数本の幹(主枝)が立ち上がる"株立ち"タイプの木は、森の樹木のようなナチュラルな雰囲気でシンボルツリーや植栽としても人気です。でも、枝数が多くて混みやすいので、美しくスリムな樹形を保つためには、早めに剪定を行うことが必要です。 どんなところを見て剪定したらよいのか、5つのチェックポイントと剪定の効果を紹介します。
スリムな樹形を保つためのチェックポイント
1本立ちに比べて枝数の多い株立ちは、理想的な株立ちを維持するために、より早くから積極的な剪定が必要です。気をつけてチェックしておきたいポイントはこの5つ。 【ポイント1】樹高はOK? 手に負えないほど伸びる前に、高い枝は低い枝に切り替える。 【ポイント2】株元はすっきり? 株元の側枝などをなくして主枝を見せ、株立ち感を際立たせる。 【ポイント3】樹形を乱す枝はない? 横に張り出した枝が目隠しとして必要なければ切る。 【ポイント4】葉が茂りすぎ? 光や風が内部に入るように、混んだ枝はつけ根で切って減らす。 【ポイント5】主枝は見えている? 主枝の「流れ」がわかる程度まですかしたい。
剪定の三大効果
●ラクちん! 毎年こまめに剪定すれば、作業が短時間で終わり、木を傷めるリスクも小さくなります。 ●美しい! 葉の数を減らすことで光合成による養分生産が抑えられ、枝が太くなりにくく軽やかな樹姿が維持できます。 ●丈夫に! 株の内側の枝を減らすと、光と風が通って病害虫の予防になり、主枝が素直に伸びます。 剪定に最適な時期は、シマトネリコなど一年中葉を茂らせている常緑樹、ヤマボウシなど冬に葉を落とす落葉樹とで異なります。適期や枝の見極め方、詳しい切り方などはテキストで紹介しています。 上条祐一郎(かみじょう・ゆういちろう) 園芸研究家 千葉大学園芸学部を卒業後、アメリカの園芸農家で修業。長野県で種苗会社を営む。樹木医でもあり、樹木の特性を生かして元気にする剪定を推奨している。著書『切るナビ! 庭木の剪定がわかる本』は発行10万部を超える人気の実用書。 『趣味の園芸』2023年12月号 注目特集・剪定「人気の"株立ち"はこうして剪定」より