第1回「湘南遺産」に烏帽子岩、ちょい呑みフェスなど
湘南地域で後世に継承したい自然や文化を選定し、保存・普及啓発活動に取り組む「湘南遺産」第1回選定発表会が6月19日に藤沢商工会館ミナパークで行われ、藤沢市、茅ヶ崎市、大磯町から計9件が選定された。 NPO法人湘南遺産プロジェクトが主催する湘南遺産は、「歴史」「自然」「景観」「産業」「食」「芸能」「無形」「記憶」「人物」などカテゴリーごとに地域から候補を募り、ネットなどを通じて投票を受付。第1回の今回は、5月~6月までの投票結果がいずれも500票を上回ったことなどから、9件の候補すべてを選定した。
選ばれたのは、アント二ン・レーモンド設計の「グリーンハウス」(藤沢市)、「旧モーガン邸」(藤沢市)、築87年の米穀店の店舗と蔵を改装した「蔵まえギャラリー」(藤沢市)、神奈川県内を中心に全国50地域近くに広がった「ふじさわちょい呑みフェスティバル」(藤沢市)、約800年前に京都から鎌倉経由で伝わった「湯立神楽」(藤沢市)、周遊船や周辺で養殖された「えぼしわかめ」も人気の「烏帽子岩」(茅ヶ崎市)、多くの文化人が療養した「南湖院」(茅ヶ崎市)、国の重要無形民俗文化財にもなっている「左義長」(大磯町)、湘南発祥の地といわれる「鴫立庵」(大磯町)。得票数では烏帽子岩が861票で1位となった。
発表会に出席した藤沢市の鈴木恒夫市長は「湘南、藤沢には市民にもあまり知られていない部分がたくさんある。これまで知らなかった魅力を知ることで、誇りを持って住み続けたい街になるのでは」と話した。 今後は商標登録している「湘南遺産」の名称やロゴを活用してそれぞれが魅力をPRしていくほか、ガイドブックの発行やツアー「湘南遺産めぐり」などを実施し、普及啓発に取り組む。 (齊藤真菜)