難所突破へ“トンネルマンの挑戦” 5階建てビルほどの岩塊 大量の土砂流入 北海道新幹線「札幌延伸」延期の要因は難航する工事 「開業時期は幅を持ってしか言えない…」
札幌までの区間は火山活動が活発な地域や柔らかく崩れやすい地層が多いことから、いくつもの工区で工事が難航しています。 「巨大な安山岩の岩塊にあたって掘削が止まった」(鉄道・運輸機構 山口真基さん) 最も遅れている現場。それが倶知安町とニセコ町の間の「羊蹄トンネル」です。
このトンネルは、「シールドマシン」と呼ばれる巨大なドリルのような機械で掘り進められましたが、2021年、高さ17メートル5階建てのビルに相当する巨大で硬い岩が行く手を阻みました。 「金属のような音がする。びくともしないような硬さ」(鉄道・運輸機構 山口さん)
シールドマシンは後ろに下がれません。そのため、迂回トンネルを掘り、反対側から砕く方法をとりました。 岩の塊を爆破しなんとか突破することができましたが、工事は予定より4年も遅れてしまいました。 さらに現在は新たな別の岩が見つかり、進めなくなっている場所もあるということです。 そして5月27日。
札幌延伸の時期を話し合う国の有識者会議のメンバーが、北海道南部の北斗市から八雲町までの「渡島トンネル」を視察しました。ここも難所の1つです。 渡島トンネルでは、2022年3月、トンネル内に水が噴出し土砂が流入しました。
地層が柔らかく崩れやすいためで、薬液を注入したり鋼材で補強する必要が生じ、月に65メートル進む予定が20メートルしか進まない工区も出て来ています。 視察で説明を受けた政策研究大学院大学の森地茂名誉教授は…。 「今まで掘り進めたところに比べると、現在はマシだという話でした。先の地質を見てみて、良ければ早くなるし。(開業時期は)おそらく幅を持ってしか言えない。順調に行けばこれぐらいだけどまだこういうリスクがありますねという、こんな話しかできないように思う」 いくつもの難所が続く札幌延伸への道。現場の戦いは続きます。
UHB 北海道文化放送
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