“エッグショック”再来への懸念 北海道では鶏4万4000羽の殺処分着手も価格への影響は限定的か…全国では過去最多ペースで価格上昇リスクも
札幌市豊平区のスーパーです。 12日の卵の店頭価格は税抜きで199円。高止まりが続いています。 60代の客 (Q.卵の価格にいくらまで出せますか?) 「(10個)200円くらいかな。厳しいですね、家族が多いから」 50代の客 「10個300円までだったら…」
取材したスーパーでは、この2か月で卵の価格が約30円値上がりしていて、今回の鳥インフルエンザの影響を不安視しています。 キテネ食品館月寒店 中塚誠社長 「旭川の4万4000羽(殺処分)の報道を見て、何らかの影響は少しあるかなと思います。現状は2週間くらいは据え置いた形の相場でギリギリ頑張っている。ここから少しずつ上がってくるので、10円、20円、30円上がる可能性はあります」
卵の価格は、別の理由ですでに上がっています。 Mサイズ1キロ(約16個)当たりの卵の平均価格は去年、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大や飼料高騰の影響で365円まで上昇しました。 今年1月には185円まで下がりましたが、西日本を中心とした猛暑の影響で産卵数が減ったことや、年末に向けて需要が高まったこともあり、11月は290円まで値上がりしています。
今年の養鶏場での感染は、北海道内では旭川市が2例目ですが、先月の厚真町は養鶏場としては過去最も早い発生でした。 今年の鳥インフルエンザについて北海道大学・大学院の迫田義博教授に聞きました。 北海道大学 大学院獣医学研究院 迫田義博教授 「(今年の)野鳥におけるウイルス検出のこれまでの状況を見ると、2シーズン前(2022年度)の時のように、野鳥からのウイルス検出も過去最大レベル。ということは、やはり養鶏場等での感染リスクも非常に高くて、約1700万羽の殺処分になってしまったシーズンのようなことが起こりうる可能性はある。それともう一つ大事なことは、野鳥からのウイルス検出は、あくまでも氷山の一角。例えば乙部町と道東で見つかっているから旭川はセーフとか、そういうことはなくて、すべての鳥を飼われている皆さんの対策が大事」
過去最多の発生となった2022年度は、全国で約1771万羽が殺処分されました。そのうち採卵鶏は約1671万羽です。 この時は卵の供給量が減り、2023年の5月から6月にかけてMサイズ1キロあたり365円まで価格が高騰しました。 今シーズンの殺処分は今回の旭川市を含めて約108万羽で、過去最多の2022年度に匹敵するペースということで、再びエッグショックが起こらないか懸念されています。
北海道放送(株)
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