【オードリー・ヘプバーンの生涯】長男・ショーンが語った「内なる強さ」と「求めていたもの」
「母にとって最も誇れる出演作は、『尼僧物語』だったと思います。素晴らしい、シリアスな脚本の作品です。浮ついたところがまったくありません。顔がごく一部だけ見える衣装でしたから、かなりの演技力が必要でした。 『パリの恋人』は、とても楽しんでいました。長年、心のなかに閉じ込めていたダンサーとしての自分を(初のミュージカル映画で)、表に出すことができたのです。 『パリで一緒に』はそうでもありませんでしたが、ケーリー・グラントと共演した『シャレード』の撮影も、とても楽しそうでした。彼がどれほど素晴らしい人かということを話していました。 (弟の)ルカと私は、(1994年に)オードリー・ヘプバーン児童基金(Audrey Hepburn Children’s Fund)を創設しました。エンターテインメント産業に関わる人たちに対し、世界中の苦しむ子どもたちへの支援を呼びかけるためです。 母の死後、それが私たちのやるべきことだと思えました。母は心から、子どもから子ども時代を奪うことは最大の罪だと考えていました。ユニセフの仕事を通じて恐ろしい状況を目にするたび、その不当さに対する怒りを一層、募らせていました」 写真:『尼僧物語』でシスター・ルークを演じるオードリー、1958年撮影 Translation: Ryoko Kiuchi From TOWN&COUNTRY