「ウゴービ」より85%安い、新興ヒムズが同じ有効成分で減量薬参入
(ブルームバーグ): オンラインで医薬品サービスを提供する米新興企業、ヒムズ&ハーズ・ヘルスは最もホットな医療分野である減量薬に参入している。同社はバイアグラなど人気薬品のジェネリック医薬品(後発薬)を買いやすい形で消費者に提供することで成功し、売上高はわずか数年で10億ドル(約1560億円)近くに達した。
ヒムズの売りはこれまでの戦略通り、その安さだ。ノボ・ノルディスクの「ウゴービ」は保険適用なしで月間およそ1350ドルかかる。イーライリリーの「ゼップバウンド」もほぼ同額だ。ヒムズはこれらの薬品と同じ有効成分の薬を月額199ドルで提供しているという。大手より最大85%安い価格設定だ。
ヒムズのプレスリリースは「ブランド薬品へのアクセスは現在、品不足とコスト高で制限されている」と指摘、同社ではこうした問題なしに顧客が薬を手に入れることができるとしている。
ヒムズ株は20日の米株式市場で一時38%上昇し、28%高で引けた。年初から先週末までに60%余り上げていた。
減量につながるホルモンと似た働きをすることで、現在のブームを起こしているGLP-1受容体作動薬という有効成分は、2032年まで特許で保護されている。つまりジェネリックの販売はまだ認められていない。しかしヒムズなどオンラインヘルス企業は迂回(うかい)策を見つけた。米食品医薬品局(FDA)は深刻な供給不足を理由に、薬剤師に調剤技術を用いてそうした医薬品を製造することを認めている。
リリーやノボが需要に追いついていけないため、こうした薬局製剤による減量薬は爆発的に増えている。しかしどの程度普及しているか、公的な情報はない。ヒムズ以外にも数十社ものオンライン医薬品サービス企業が、減量薬への参入を試みている。
原題:Hims Debuts $199 Weight-Loss Shots at 85% Discount to Wegovy (2)(抜粋)
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Madison Muller, Jessica Nix