中国、財政赤字のGDP比を過去最高に引き上げも-景気対策強化で
(ブルームバーグ): 中国には財政赤字の対国内総生産(GDP)比を過去最高に引き上げて景気刺激策を強化する選択肢があると著名エコノミストが指摘した。5%前後とする今年の経済成長目標の達成に向け政府が全力を尽くす姿勢を反映するものになるという。
財政省傘下の研究所所長を務めていた賈康氏は、当局が今四半期に財政調整を決め、財政赤字の対GDP比を4%程度と、今年の3%から引き上げる可能性があると予想。「財政政策の面で『大きな行動』となり得る」とインタビューで述べた。同氏は現在、民間シンクタンクの華夏新供給経済学研究院を率いている。
公共支出の抑制を解除すれば、中国の需要回復を目指して政府が9月下旬以降に打ち出した取り組みを補完するものとなる。中国は昨年10月に財政赤字の対GDP比を3.8%程度まで引き上げる異例の修正を行っていた。
賈氏によると、財政出動により、4兆元(約84兆円)から10兆元の景気刺激策が実施される可能性がある。また、銀行は政府プロジェクト向け融資で重要な役割を果たし、官民パートナーシップの貢献も考えられるという。
中国の指導部が景気減速に終止符を打つ意欲を示していることから、エコノミストや投資家は追加措置を注視している。中国国家発展改革委員会(発改委)は8日、成長促進を目指した政策パッケージを説明する記者会見を開く。
原題:China May Top Off Stimulus With Record Deficit, Economist Says(抜粋)
--取材協力:Fran Wang.
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Iris Ouyang