築地市場から有害物質で調査へ 小池知事「総合的な判断に必要な過程」
築地市場の土壌調査で環境基準を超える有害物質が検出された問題について、東京都の小池百合子知事は26日の定例会見で、ボーリング調査を行って結果を公表するとし、豊洲市場への移転可否についての総合的な判断に「必要な過程」だと述べた。 【中継録画】東京・小池百合子都知事が都庁で定例会見
30か所の土壌で基準値超えるヒ素など
調査では2日~5日に、築地市場内の計111地点の土壌を採取、分析した結果、ヒ素が20か所(最大で基準の2.8倍)、六価クロムが6か所(同1.4倍)、フッ素が3か所(同1.5倍)、水銀が1か所(同1.8倍)でそれぞれ基準を超えた。これら30か所では今夏、より詳細に汚染状況を確かめるため、都がボーリング調査を実施する。 小池知事は「一つひとつ調査を行い、しっかり公表するという作業が、(移転可否の)総合的な判断に導くために必要な過程だと感じている」と語った。ボーリング調査が判断時期にどう影響を与えるのかとの質問には「市場のあり方戦略本部で、これらの調査結果を集めて、どのようなタイミングで発表するか決めたい」と述べるにとどまった。 築地市場に関しては、24日の市場問題プロジェクトチームの会合で示された報告書案の中に、敷地内にツインタワーを建設する築地市場改修案も盛り込まれていた。小池知事は「市場のあり方戦略本部では、市場の持続可能性などさまざまな判断材料をテーブルに広げているところ。いろいろな案が出るのは歓迎したい」と述べた。 (取材・文:具志堅浩二)