「袴田さんの無罪確定へ、指揮権発動を」 超党派議連が法務省に要請
58年前に静岡県内であった一家4人殺害事件で死刑が確定していた袴田巌さん（88）に対する静岡地裁の再審無罪判決について、超党派の議員連盟は2日、法務省を訪れ、検察が控訴した場合、法相が「指揮権」を発動して控訴を取り下げるよう求めた。 【動画】「お前は犯人だ」責め立てる刑事 議連は「袴田巌死刑囚救援議員連盟」（会長=塩谷立衆院議員）で、公明党の大口善徳衆院議員らがメンバー。この日は袴田さんの姉の秀子さん（91）も同行し、法務省幹部に要請書を手渡した。 指揮権は、個別事件で検事総長を指揮できる検察庁法で定められた法相の権限で、発動されたのは過去1度しかない。要請書では、仮に検察が判決を不服として控訴して争いが長期化すれば、高齢の袴田さんや秀子さんが存命のうちの無罪確定が遠のくと主張。その上で、検察が控訴した場合には法相が指揮権を発動し、控訴を取り下げるよう求めた。 秀子さんは要請書を手渡した後に取材に応じ、「弟は48年拘置所に入り、とても苦労をした。そのことをわかっていただきたいと（法務省側に）伝えた」と語った。（久保田一道）
朝日新聞社
