「答案用紙が鼻血まみれ」東大卒の芸人・石井てる美 センター試験の絶望とコンプレックスを抱えた先の就活から得た教訓
■センター試験で鼻血「いまも教訓になっています」 ── 大学のセンター試験の最中に、「鼻血が止まらない」というアクシデントに見舞われたそうですね。どんな状況だったのでしょう? 石井さん:数学1Aのテストが始まって30分くらいたったころ、鼻血が急に出てきたんです。しかも、ポタポタなんてレベルではなく、ドバっと。思わず頭が真っ白になり、パニック状態に陥りました。慌てて手で鼻を抑えながら、試験官に「ティッシュを出していいですか?」と聞いたら、別の試験官のところに許可を取りに行って。こちらは1分1秒が惜しいので「早くして…」と祈るような気持ちでした。「とにかく最後まで問題を解かなくては」と、焦りで思わず手が震えました。
なんとか解ききったものの、答案は血まみれ状態。試験終了後、係の方に「受理できるか調べますからお待ちください」と言われ、「汚染答案」のような扱いに。もしもダメだといわれたら、東大が受けられなくなってしまう。待っている間、不安でたまりませんでした。 ── 大変でしたね。でも、なぜ急に鼻血が出たんですかね。なにか思い当たることは? 石井さん:じつは、考えられる要因が2つありました。ひとつはテスト前に、脳を活性化させようと、いつもは勉強中に食べないチョコレートを口にしたこと。2つめは、暖房が効きすぎて部屋がものすごく暑かったので、のぼせてしまったのかも。そんな状態で鼻を軽く触ったらその瞬間から鼻血が出て止まらなくなりました。
ただ、振り返れば、センター試験の1週間前、毎日、夕方になると鼻血が出ていました。これが予兆だったのかもしれません。きっと、いろいろとムリがかかっていたのでしょうね。結局、この鼻血事件から学んだのは「大事な場面では、いつもやらないことはしないほうがいい」という教訓です。できるだけ、いつものルーティンのままでのぞむ。それが、平常心を保つことにつながると思いましたね。いまでも、プレッシャーを感じるような場面では、あえていつも通りのルーティンを行うことで、「よし、大丈夫」と自分に言い聞かせてから行動するようにしています。